様々なゲームエンジンを触ってみて
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IGDA University Of The Ryukyus ,Masataka Kohagura
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自己紹介
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琉球大学大学院 理工学研究科 情報工学専攻 M2
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古波倉 正隆
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IGDA 琉球大学 代表
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moguraVR ライター
IGDA について
IGDA とは
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IGDA = International Game Developers Associate
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IGDA 本体はアメリカを拠点とした国際 NPO 法人
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ゲーム開発者のためのコミュニティ
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世界で 100 の国や地域に存在する
主な活動
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GameJam の運営
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ゲーム開発に関する勉強会等の運営
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CEDEC や Game Developers Conference への学生派遣
日本でのIGDA
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琉球大学を含め7つの地域で活動が行われている。
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IGDA 日本が日本の中で最も大きなコミュニティ
IGDA 琉球大学の活動
活動理念
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様々なゲーム製作に関するイベントを通して、社会人ゲームクリエイターと学生ゲームクリエイターが交流出来る場を提供する。
- ゲーム開発を通して、各専門分野(プログラム、グラフィック、サウンドetc…)の多種に渡る広い視野を培い、沖縄県の将来のIT産業を担う人材の育成。
IGDA 琉球大学の活動
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美来工科高等学校への Unity サポート派遣事業
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GameJam の定期開催・運営
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ゲーム開発全般の勉強会・講演会の開催
GameJam について
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2日間夜通しで、1グループ1つのゲームを製作するイベント
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誰でも参加可能なイベントであり、学生と社会人が混ざってプロダクトを作る
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GameJam で製作されたゲームが販売されたケースもある
1グループのチーム構成(5~6名)
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プログラマー : 2~3名
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2Dグラフィック : 1名
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3Dグラフィック : 1名
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サウンド : 1名
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プランナー/ディレクター : 1名
福島GameJam 2015
サテライト会場として、琉球大学も参加します
開催概要
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日時 : 2015年8月22,23日(土日)
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場所 : 琉球大学工学部棟1号館321教室
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参加費 : 無料
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検索方法 : 琉球大学 福島 2015
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特別ゲスト : Unity Technologies Japan 様の 3 名の方が来沖予定
このセッションについて
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対象 : ゲーム製作に興味のある方、ゲーム好きな方
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ゲームエンジンの成り立ちの話
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様々なゲームエンジンの紹介
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ゲームエンジンをいくつか触っての感想
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これからの動向予想
ゲームエンジンとは
ゲームエンジンは各種コンピュータゲームの製作に共通して必要な機能をパッケージ化したもの
ゲーム業界では Unity 、 Unreal Engine 4、 Cocos2d-x などが主流
ゲームエンジンの機能
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レンダリングエンジン
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アニメーションシステム
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物理演算
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オーディオシステム などなど・・・
最近では、マルチプラットフォーム(iOSやAndroid、PS4 や XBOX oneなど)で出力できるものが多い
ゲームエンジンができるまで
1993年発売 「DOOM」
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MODと呼ばれる PC ゲームのデータの改造や追加を行うユーザ製のファイルの製作が行われていた。
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新しいMAPや武器やキャラクターの追加、乗り物やゲームルールの追加
1998年発売 「Unreal」
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ゲームの拡張を前提とした設計 -> Unreal Engine の誕生
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当時からグラフィックにこだわっていたが、その当時の最高スペックPCですらまともに動かせなかったという話も・・・
各ゲーム会社が独自でゲームエンジンを作っていた
ここ3,4年でゲームエンジンが話題になったが、それ以前は各企業が独自でゲームエンジンを製作していた。
(その企業に入社しない限り利用することはほぼ不可能だった)
昔からゲームを製作していた企業は、今でも独自のゲームエンジンを利用しているケースが多い
たくさん存在するゲームエンジン(個人利用不可)
- どのようなゲームエンジンがあるのか簡単に紹介していく。
- まずは個人利用不可のものから
Frostbite Engine(DICE)
- バトルフィールド4
- ニード・フォー・スピード ライバルズ
Source Engine(Valve)
- Left 4 Dead 2
- Portal
たくさん存在するゲームエンジン(個人利用不可)
Crystal Tools(SQUARE ENIX)
- FINAL FANTASY XIII
- FINAL FANTASY XV
Fox Engine(KONAMI)
- ワールドサッカーウイニングイレブン 2015
- メタルギア・ソリッド V ザ・ファントム・ペイン
たくさん存在するゲームエンジン(個人利用不可)
ヘキサエンジン(ヘキサドライブ)
- FINAL FANTASY 零式 HD
- MONSTER HUNTER PORTABLE 2nd G for iOS
OROCHI(シリコンスタジオ)
- WORLD OF FINAL FANTASY
- ガンスリンガー ストラトス2
たくさん存在するゲームエンジン(個人利用可)
Unreal Engine 4 (Epic Games)
- シェンムー3(YS NET)
- キングダムハーツ3(SQUARE ENIX)
Cry Engine
- Crysis 3(Electronic Arts)
- Evolve(2k Games)
たくさん存在するゲームエンジン(個人利用可)
Unity
- スマートフォン版ドラゴンクエストVIII(SQUARE ENIX)
- 白猫プロジェクト(コロプラ)
Cocos2d-x
- LINEツムツム(LINE)
- モンスターストライク(mixi)
ゲームエンジンの利用先
ゲームエンジンはゲーム製作だけでなく、シミュレーターや Virtual Reality(VR)にも利用されている。
- 交通安全危険予測シミュレーター
- NailCanvas
このセッションで取り扱うゲームエンジン
様々なゲームエンジンを紹介したが、本セッションでは個人利用可のうち、無料で使用できる以下のゲームエンジンを中心に紹介していく
- Unity 5
- Unreal Engine 4
- Cocos 2d-x
CryEngine は月額$10 ほどかかるので除外
Unity 5の概要
- 2015年3月にリリース
- マルチプラットフォーム対応で、iOS、Android、PS3、PS4、WiiU などなどに対応
- 無料の「Personal Edition」と、有料の「Professional Edition」の二種類のライセンス
- 「Professional Edition」は、買い切りで ¥194,400 / 1ライセンス
- 機能の違いはほとんどなく、無料版でもスマートフォンに出力することができる。(2年前ぐらいまでは、iOS、Android 別々でライセンスが必要だった)
- 「アセットストア」と呼ばれる 3D モデルや Unityプラグイン を購入できる機能がある。種類が豊富。(ただし、日本向けの3Dモデルなどがほとんど無い)
- 2D、3Dゲームが製作できる(万能)
- 言語 : C#、javascript
Unity 5 実演
- オブジェクトを生成して、スクリプトを書く
- オブジェクトに rigidbody などの各種コンポーネントをつける
- uGUI を使用して、GUIの構築
- アセットストアを見てみる
Unreal Engine 4 の概要
- 2014年3月頃にリリース
- マルチプラットフォーム対応で、iOS、Android、PS4、XBOX one などに対応
- 月額¥1,980だったが、2015年3月のGame Developer Conference にて無料となった
- 四半期毎に1プロジェクト$3,000を越えた場合 5% のロイヤリティ
- オープンソース
- グラフィックがすごい
- blueprint によるビジュアルスクリプティング
- マーケットプレイスで 3D モデルやマテリアルの購入ができる
- 3Dに特化(2Dも最近は整備しているらしい)
- 言語 : C++
Unreal Engine 4 実演
- サンプルプロジェクトでグラフィックのキレイさをアピール
- オブジェクトを生成して、blueprint でスクリプティング
- C++でコードを書き、C++で書いた関数を blueprint で使用する。
- マーケットプレイスを見てみる
Cocos 2d-x の概要
- ゲームエンジンというより、ゲームフレームワーク
- マルチプラットフォーム対応で、iOS、Android、Windows、Mac OSXに対応
- 無料
- オープンソース
- 2Dに特化(3Dも最近は整備しているらしい)
Cocos2d-x 実演
- スクリプトを記述して、画像を表示してそれを移動させる
それぞれのアプリサイズ
紹介したゲームエンジン3つのアプリサイズは以下のようになる
空のプロジェクトをそのままスマートフォンに流し込んだときのサイズである
ゲームエンジン |
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サイズ(MByte) |
Unity 5 |
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20 |
Unreal Engine 4 |
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60 |
Cocos2d-x |
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6 |
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iOS は アプリサイズが100MBを越えてしまうと携帯回線でダウンロードすることができなくなる。->ダウンロード数の減少
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スマートフォンアプリ製作各社、ゲームのフレームだけ App Store/Google Play でダウンロードさせて、中の画像データや3Dモデル、音データをゲーム内でダウンロードさせることによって 100MB の壁をすり抜けてるのが現状。
Unity 5 の感想
good!
- 3つのゲームエンジン内で気軽に触りやすいエンジン
- 個人利用できるゲームエンジンとして長いので、英語・日本語ともに情報が豊富
- バージョンが変わっても、プログラム自体の変更は割りと少ないのでそのまま使いまわすことができることも多い
- グラフィックボードが搭載されていないPCでもそれなりに動く
umm...
エディタの使い方を覚えることがちょっと大変
他人のプロジェクトが非常に見づらい (実演)
Unity 5.1 で追加された VR モードが安定して動作しない
無料版だと Unity のスプラッシュロゴが消せない
その他
GameJam で一番利用されているゲームエンジン
沖縄は47都道府県の中でかなり上位のアクティブユーザ(らしい)
Facebook や Slack などコミュニティ活動が活発
Unreal Engine 4 の感想
good!
- 工夫しなくても、グラフィックがとてもキレイ
- VR は最初からサポートしていたので、VR モードが安定して動作する
- blueprint で実装できるため、C++が書けない人でもある程度はゲームが製作できる
umm...
- エディタの使い方を覚えることがちょっと大変
- 情報はほぼ英語のみ。日本語での情報は非常に少ない。
- ゲーミングPCが必須。それなりのグラフィックボードを購入しないとサクサク動作しない。
- Mac 版は Windows 版と比較して動作が遅い
- エディタが安定しない
その他
沖縄で Unreal Engine 4 を触っている人は 1人のみ
GGJ2015 バンダイナムコ会場 Unreal Engine 4 のチームは阿鼻叫喚だったとか
コミュニティ活動は徐々に活発になってる(が、PCスペックの問題でなかなか機材のある会場がみつからない)
Cocos2d-x の感想
good!
- エディタがそもそもなく、スクリプトでゲームを製作していくので、覚えることが比較的すくない。
- アプリの動作が軽い
umm...
- スクリプトだけで何かしら製作したことがない人には辛そう。
- プロジェクト生成時、CUI でコマンドを叩く必要がある。
- v2.x系 と v3.x系 で大幅に API が変更された。また、v3.x 内のマイナーバージョンアップでもAPIの仕様が変更されたりといろいろ忙しい。
- 日本語、英語ともに情報は多め(中国語の情報が一番多いとか)ただし、その情報のバージョンが明示されていないと厄介(上述のバージョンアップによるAPI変更が理由)
その他
- 沖縄に Cocos2d-x ユーザはいるらしい(伝聞)
まとめ
ゲームを作るという観点から
- プログラム未経験者でゲーム製作をするなら Unity
- プログラム経験者で 2D ゲームを製作するなら Cocos2d-x
- PCにそれなりのスペックがあり、修羅の道に行きたい
マゾな向上心のある方は Unreal Engine 4
- 逆に言えば、情報発信で 「Unreal Engine 4と言えばこの人」となりやすい環境
スマートフォンゲームのリリースという観点から
- 2D、3D両対応が簡単にできる Unity
- 2Dゲームを製作し、動作をサクサクにしたいのであれば Cocos2d-x
- Unreal Engine 4 はスマートフォンも修羅の道(とのこと)
VRコンテンツ製作の観点から
- VRはそもそもグラフィックボードが必須
- Unity、Unreal Engine 4 作りやすいほうで
- 日本は Unity、海外は Unreal Engine 4
- Oculus' Mobile VR Jam(賞金のある海外コンテスト)と Unreal Engine 4 の無料化が被ったので、Unity -> Unreal Engine 4 に移行者続出
- 結果、「Unreal Engine 4 難しすぎる!」「自分のパソコンで動かない!」が続出で戻ってきた人も多数