comparison paper/OS-116-6.tex @ 3:739d63517986

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author koba <koba@cr.ie.u-ryukyu.ac.jp>
date Thu, 16 Dec 2010 21:54:12 +0900
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2:cbf0faac76ca 3:739d63517986
81 81
82 Cerium を用いたゲーム開発ではプログラムの動作を Task という単位で管理し、 82 Cerium を用いたゲーム開発ではプログラムの動作を Task という単位で管理し、
83 この Task と必要なパラメータを複数の SPE に転送して処理させる。 83 この Task と必要なパラメータを複数の SPE に転送して処理させる。
84 転送された各 TASK は並列に処理され、Pipeline で実行される。 84 転送された各 TASK は並列に処理され、Pipeline で実行される。
85 本研究では Cerium 用に開発されたゲームプログラムを用いてテストを行い、 85 本研究では Cerium 用に開発されたゲームプログラムを用いてテストを行い、
86 Cerium やCerium 用ゲームプログラムに対する効果的なテスト手法を提案する。 86 Cerium の チューニングやゲームプログラミングを補助するテスト手法を提案する。
87 % }{ 87 % }{
88 88
89 \section{Cell Broadband Engine}\label{sec:Cell} 89 \section{Cell Broadband Engine}\label{sec:Cell}
90 CellBroadbandEngine は SCEI と IBM、東芝によって開発された CPU である。 90 CellBroadbandEngine は SCEI と IBM、東芝によって開発された CPU である。
91 2 thread の PPE(PowerPC Processor Element)と 91 2 thread の PPE(PowerPC Processor Element)と
92 8個の SPE(Synergistic Processor Element)からなる非対称なマルチコアプロセッサであり、 92 8個の SPE(Synergistic Processor Element)からなる非対称なマルチコアプロセッサであり、
93 高速リングバスであるEIB(Element Interface Bus)で構成されている。 93 高速リングバスであるEIB(Element Interface Bus)で構成されている。
94 PS3 Linux では6個の SPE を使うことが出来る。\ref{fig:cell} 94 PS3 Linux では6個の SPE を使うことが出来る。(図\ref{fig:cell})
95 95
96 \subsection{PPE(PowerPC Processor Element)}\label{ssec:PPE} 96 \subsection{PPE(PowerPC Processor Element)}\label{ssec:PPE}
97 PPE は Cell Broadband Engine のメインプロセッサで、 97 PPE は Cell Broadband Engine のメインプロセッサで、
98 複数の SPE をコアプロセッサとして使用することができる汎用プロセッサである。 98 複数の SPE をコアプロセッサとして使用することができる汎用プロセッサである。
99 メインメモリや外部デバイスへの入出力、SPE を制御する役割を担っている。 99 メインメモリや外部デバイスへの入出力、SPE を制御する役割を担っている。
114 \end{center} 114 \end{center}
115 \caption{CellBroadbandEngine} 115 \caption{CellBroadbandEngine}
116 \label{fig:cell} 116 \label{fig:cell}
117 \end{figure} 117 \end{figure}
118 118
119 \newpage
120
119 \section{Cerium Engine} 121 \section{Cerium Engine}
120 Cerium は 独自の Rendering Engine と SceneGraph、TaskManager の3つによって構成される。 122 Cerium は 独自の Rendering Engine と Scene Graph、Task Manager の3つによって構成される。
121 ゲーム中のオブジェクトの振る舞いやルールは SceneGraph によって管理され、 123 ゲーム中のオブジェクトの振る舞いやルール、Polygon Data は SceneGraph によって管理され、
122 それらの動きや Rendering の処理を動的に SPE に割り振るカーネルとして TaskManager が用いられる。 124 それらの動きや Rendering の処理を動的に SPE に割り振るカーネルとして TaskManager が用いられる。
123 Cerium は C++ で実装されており、画像の読み込みや入力デバイスはSDL\footnote[1]{ 125 Cerium は C++ で実装されており、画像の読み込みや入力デバイスはSDL\footnote[1]{
124 Simple DirectMedia Layer。グラフィックやサウンドなどの API を提供するライブラリ。 126 Simple DirectMedia Layer。グラフィックやサウンドなどの API を提供するライブラリ。
125 } を用いて行っている。 127 } を用いて行っている。
126 128
127 \subsection{SceneGraph} 129 \subsection{Scene Graph}
128 Cerium ではゲーム中の一つの場面(Scene)を構成するオブジェクトやその振る舞い、ゲームのルールの集合を SceneGraph としている。 130 Cerium ではゲーム中の一つの場面(Scene)を構成するオブジェクトの頂点座標やテクスチャー、
131 そしてその振る舞いの集合を SceneGraph としている。
129 SceneGraph のノードは親子関係を持つ tree で構成される。親子関係とは、親オブジェクトの回転や 132 SceneGraph のノードは親子関係を持つ tree で構成される。親子関係とは、親オブジェクトの回転や
130 並列移動等の行列計算による頂点座標の変更が、子オブジェクトにも反映する関係のことである。 133 並列移動等の行列計算による頂点座標の変更が、子オブジェクトにも反映する関係のことである。
131 これは子に対してスタックに積まれた親の変換行列を掛けることで実現できる。 134 これは子に対してスタックに積まれた親の変換行列を掛けることで実現できる。
132 135
133 \subsection{Rendering Engine} 136 \subsection{Task Manager}
134 Cerium の Rendering Engine では、以下の3つの Task を持つ。 137 Task Manager は Task と呼ばれる、分割された各プログラムを管理する。
138 Task の単位はサブルーチンまたは関数とする。
139 Task は主に PPE 内で生成され、処理する内容と必要なパラメータを設定される。
140 実行可能になった Task から各 SPE 割り当てられ、Task を受け取った SPE はその情報を元に
141 処理を実行する。
142
143 \subsubsection{Task の Dependency}\label{sssec:dependency}
144 Task には依存関係(Dependency)を持たせることができる。以下に記述例を示す。
145
146 \begin{verbatim}
147 //task2 は task1 が終了してから開始する
148 task2->wait_for(task1);
149 \end{verbatim}
150
151 上記の場合には task1 は Active Queue へ、task2 は Wait Queue へ格納される。
152 Active Queue に格納された Task は各 SPE に送られ処理される。
153 終了した Task から PPE の Task Manager へタスク終了のコマンドを発行する。
154 コマンドを受け取った Task Manager は Wait Queue を調べ、依存関係を満たした Task から
155 Active Queue に移し、SPE へ送る。(図\ref{fig:dependency})
156
157 \begin{figure}[tb]
158 \begin{center}
159 \includegraphics[scale=0.6]{figure/dependency.eps}
160 \end{center}
161 \caption{CellBroadbandEngine}
162 \label{fig:dependency}
163 \end{figure}
164
165 \subsubsection{}
166
167 \subsection{Rendering Engine}\label{ssec:rendering}
168 Cerium の Rendering Engine では、オブジェクトの描画を Cell で並列処理している。
169 描画処理を段階別に以下の3種類の Task に分けている。
135 170
136 \begin{itemize*} 171 \begin{itemize*}
137 \item 172 \item
138 SceneGraph が持つ Polygon の座標から、実際に画面に表示する座標の計算を行い、PolyPack を生成する Task 173 SceneGraph が持つ Polygon の座標から、実際に画面に表示する座標の計算を行い、
174 それを格納した PolyPack を生成する SceneGraph2PolygonPack Task
139 \item 175 \item
140 PolygonPack から同じ Y 座標を持つ線分の集合である SpanPack を生成する Task 176 PolygonPack から同じ Y 座標を持つ線分の集合である SpanPack を生成する
177 PolygonPack2SpanPack Task
141 \item 178 \item
142 SpanPack を Texture を読み込みながら Z Buffer を用いて描画する Task 179 SpanPack を Texture を読み込みながら Z Buffer を用いて描画する DrawSpan Task
143 \end{itemize*} 180 \end{itemize*}
144 181
145 この3つの Task は1フレーム毎にパイプライン的に実行される。 182 この3つの Task は画面の描画毎にパイプライン的に実行される
146 183
147 \section{スタイルファイルの使い方} 184 \newpage
148 \subsection{一般的な注意事項}
149 185
150 会議の予稿集などとは違い,論文誌の体裁には伝統的かつ「堅い」約束事が数多くあ 186 \section{Task の Dependency}
151 る.そのためスタイルファイルも「堅い」ものとなっており,{\LaTeX} の特徴の一 187 Cerium の Task には依存関係を持たせる機能がある。
152 つであるカスタマイズ機能は大幅に制限される.例えば \|\textheight| などのいわ
153 ゆる style parameter を変更するのは当然やめていただきたい.どのようなカスタ
154 マイズが許されるのかを示すのは難しいが,一つの基準として「スタイルファイルを
155 読んでみて大丈夫だと確信が持てる」こと以外はしないことを強く勧める.
156 188
157 なお,これらの変更やこのガイドで述べている「やめて欲しいこと」を行なっても, 189 wait\_for は複数の Task を指定できる。上記の場合は
158 {\bf エラーになったりせず単に結果が変になる}ことに注意していただきたい. 190 task3 が task1、task2 の二つの Task 終了を待つ形となる。
159 191
160 % }{
161
162 \subsection{論文の構成}\label{sec:config}
163
164 ファイルは次の形式で作る.なお下線部は投稿時にはなくてもよい.またトランザク
165 ション特有のコマンドなどについては,付録\ref{sec:app-trans}を参照されたい.
166 %
167 \begin{Quote}\small*
168 \|\documentclass{ipsjpapers}|\footnote{%
169 {\LATExe} を2.09互換モードで使う場合,および{\LaTeX} 2.09を使う場合
170 には \CS{documentstyle} を使用し,必要に応じてオプション引数に補助ス
171 タイル名を加える.} または\\
172 \|\documentclass[draft]{ipsjpapers}|\footnotemark[1]\\
173 必要ならばオプションのスタイルを指定する.\\
174 必要ならば補助スタイルを \|\usepackage| で指定する.\\
175 \Underline{\|\setcounter{|{\bf 巻数}\|}{|\<巻数\>\|}|}\\
176 \Underline{\|\setcounter{|{\bf 号数}\|}{|\<号数\>\|}|}\\
177 \Underline{\|\setcounter{volpageoffset}{|\<先頭ページ\>\|}|}\\
178 \Underline{\|\|{\bf 受付}\|{|\<年\>\|}{|\<月\>\|}{|\<日\>\|}|}\\
179 \Underline{\|\|{\bf 採録}\|{|\<年\>\|}{|\<月\>\|}{|\<日\>\|}|}\\
180 必要ならばユーザのマクロ定義などをここに書く.\\
181 \|\begin{document}|\\
182 \|\title{|\<表題(和文)\>\|}|\\
183 \|\etitle{|\<表題(英文)\>\|}|\\
184 \Underline{\|\affilabel{|\<所属ラベル\>\|}%|}\\
185 \Underline{\mbox{}\qquad\qquad\|{|\<和文所属\>\|\\|\<英文所属\>\|}|}\\
186 \Underline{\mbox{}\qquad\qquad\ldots\ldots\ldots}\\
187 必要ならば \|\paffilabel| により現在の所属を宣言する.\\
188 \Underline{\|\author{|\<第一著者(和文)\>\|\and|}\\
189 \Underline{\leavevmode\phantom{\tt @author@}\<第二著者(和文)\>\|\and|}\\
190 \Underline{\leavevmode\phantom{\tt @author@} \ldots{} \|}|}\\
191 \Underline{\|\eauthor{|\<第一著者(英文)\>\|\and|}\\
192 \Underline{\leavevmode\phantom{\tt @eauthor@}\<第二著者(英文)\>\|\and|}\\
193 \Underline{\leavevmode\phantom{\tt @eauthor@} \ldots{} \|}|}\\
194 \|\begin{abstract}|\\
195 \mbox{}\quad\<概要(和文)\>\\
196 \|\end{abstract}|\\
197 \|\begin{eabstract}|\\
198 \mbox{}\quad\<概要(英文)\>\\
199 \|\end{eabstract}|\\
200 \|\maketitle|\\
201 \|\section{|\<第1節の表題\>\|}|\\
202 \mbox{}\quad $\ldots\ldots\ldots$\\
203 \mbox{}\quad\<本文\>\\
204 \mbox{}\quad $\ldots\ldots\ldots$\\
205 謝辞があれば \|acknowledgment| 環境を使ってここに記す.\\
206 \|\bibliographystyle{ipsjunsrt}| または\\
207 \|\bibliographystyle{ipsjsort}|\\
208 \|\bibliography{|\<文献データベース\>\|}|\\
209 付録があれば \|\appendix| に続いてここに記す.\\
210 \Underline{\|\begin{biography}|}\\
211 \Underline{\mbox{}\quad\<著者紹介\>}\\
212 \Underline{\mbox\qquad$\ldots\ldots\ldots$}\\
213 \Underline{\|\end{biography}|}\\
214 \|\end{document}|
215 \end{Quote}
216
217 % }{
218
219 \subsection{オプション・スタイル}\label{sec:ENUM}
220
221 \|\documentclass| (または \|\documentstyle|)の標準オプションとして,以下の6
222 つのものが用意されている.
223 %
224 \begin{ENUMERATE}%{
225 \item\|landscape | オンライン出版用\footnote{%
226 %
227 このガイドのようにA4横長のオンライン出版用の製版を行なうオプションであり、デ
228 フォルトである。}
229 \item\|portrait | 紙出版用
230 \item\|draft | 投稿用
231 \item\|technote | テクニカルノート用
232 \item\|preface | 序文用
233 \item\|english | 英文用
234 \item\|sigrecommended| 研究会推薦論文
235 \item\|invited | 招待論文
236 \end{ENUMERATE}%}
237 %
238 これらのオプションは(意味があれば)任意の組合せで指定することができる.
239 また論文誌への投稿/掲載以外の目的で使うことができるように,研究
240 報告用の \|techrep|(付録\ref{sec:app-sig}参照)と,(著者自身のweb site等に
241 掲載するための)「著者版」を作成する \|private| も用意されている.さらに後
242 者では
243 %
244 \begin{itemize}\item[]%{
245 \|\copyrightnotice{|\<著作権情報\>\|}|
246 \end{itemize}%}
247 %
248 により,最初のページの左肩に学会著作権規定で定められた著作権に関する注意書を
249 出力することもできる.
250
251 \|\usepackage| で\footnote{{\LaTeX} 2.09の場合は \CS{documentstyle} のオプショ
252 ン引数で.}%
253 補助的なスタイルファイルを指定した場合には,製版用のファイル群に必ずスタイル
254 ファイルを含める.ただし,{\LATEXe} の標準配布に含まれているもの(たとえば
255 \|graphicx|)については同封の必要はない.なおスタイルファイルによっては論文
256 誌スタイルと矛盾するようなものもあるので,スタイルファイルの性格を良く理解し
257 て使用していただきたい.
258
259 \subsection{巻数,号数などの記述}
260 学会より指示された巻数,号数,先頭ページ番号\hbox{(\|\volpageoffset|)},受
261 付/採録年月日(年は平成年)を記述する.なお学会からの指示がない項目に関して
262 は,記述しなくてよい.
263
264 % }{
265
266 \subsection{表題などの記述}\label{sec:Desc}
267
268 表題,著者名とその所属,および概要を前述のコマンドや環境により{\dg 和文と英
269 文の双方について}定義した後,\|\maketitle| によって出力する.
270 なお投稿時には,表題と概要がそれぞれ別のページに出力され,著者名と所属は出力
271 されない.
272 %
273 \begin{Description}
274 \item[表題]
275 \|\title| および \|\etitle| で定義した表題はセンタリングされる.文字数の多い
276 ものについては{\dg 自動的な改行が行なわれない}ので,適宜 \|\\| を挿入して改行
277 する.その際には各行は左詰めで組版され,その後最も長い行を基準にしてセンタリ
278 ングされる.なお和文表題は奇数ページのヘッダにも表示されるので,ヘッダに納ま
279 らないような長い表題の場合には
280 %
281 \begin{quote}
282 \|\title[|\<ヘッダ用表題\>\|]{|\<表題\>\|}|
283 \end{quote}
284 %
285 のように,ヘッダ用に短くしたものをオプション引数として指定する.
286
287 \item[著者名と所属]
288 各著者の所属を第一著者から順に \|\affilabel| を用いてラベル(第1引数)を付け
289 ながら定義すると,脚注に ${\dagger}1$ や ${\dagger}2$ を付けて和文の所属
290 (第2引数の\|\\|より前)と英文の所属(\|\\|より後)が出力される.なお,複数
291 の著者が同じ所属である場合には,一度定義するだけで良い.また論文執筆時と発行
292 時とでは所属が異なる場合には,\|\paffilabel| を用いて新しい所属を定義する.
293 新しい所属は脚注に${\ast}1$や${\ast}2$などを付けて出力される.
294
295 著者名は \|\author| と \|\eauthor| で定義し,複数の著者は \|\and| で区切る.
296 また各著者名の直後に \|\affiref|\allowbreak\hbox{\|{|\<所属ラベル\>\|}|}
297 をおいて(複数可)所属ラベル (\|\affilabel| や \|\paffilabel| で定義したも
298 の)を参照し,対応する脚注参照記号を付加する.
299
300 なお,和文著者名は必ず{\dg 姓と名を半角(ASCII)の空白で区切る}.
301
302 \item[概要]
303 和文の概要は \|abstract| 環境の中に,英文の概要は \|eabstract| 環境の中に,
304 それぞれ記述する.
305 \end{Description}
306
307 % }{
308
309 \subsection{見出し}
310
311 節や小節の見出しには \|\section|, \|\subsection| といったコマンドを使用する.
312 \|\section|の見出しは2行を占め,他は1行に出力される.
313
314 「定義」,「定理」などについては,\|\newtheorem|で適宜環境を宣言し,
315 その環境を用いて記述する.なお見出しは{\bf 定理1}などのように日本語の題と番
316 号の組合せを想定しているので,題と番号の間には微小な空白しか入らない.もし
317 {\bf Thorem 1}のような英語と番号の組合せを用いる場合には,\|\newtheorem*|に
318 よって環境を宣言すれば,空白が挿入される.
319
320 % }{
321
322 \subsection{文章の記述}\label{sec:desc*}\label{sec:enum}
323
324 \begin{description*}
325 \item[行送り]
326 学会誌は2段組を採用しており,左右の段で行の基準線の位置が一致することを原則
327 としている.また,節見出しなど,行の間隔を他よりたくさんとった方が読みやすい
328 場所では,この原則を守るようにスタイルファイルが自動的にスペースを挿入する.
329 したがって本文中では \|\vspace| や \|\vskip| を用いたスペースの調整を行なわ
330 ないでいただきたい.なお \|\begin{document}| の前にコマンド \|\checkline| を
331 挿入しておくと,本文の各行が持つべき基準線が印刷されるので,行送りが正しいか
332 どうかをチェックすることができる.ただしこのコマンドは原稿送付時には使用しな
333 いでいただきたい.
334 \item[フォントサイズ]
335 このガイドの印刷結果からもわかるように,論文誌スタイルでは様々な大きさのフォ
336 ントが使われるが,これらは全てスタイルファイルが自動的かつ注意深く選択したも
337 のである.したがって,著者が自分でフォントサイズを変更する必要はなく,かえっ
338 て行送りの原則を守る妨げにもなる.もし特定の箇所で1行に多くの文字を入れたい
339 などの理由から小さいフォントを使用する場合には,\|\small*| あるいは
340 \|\footnotesize*| という\|*|が付いたコマンドを使用していただきたい(この二つ
341 以外は禁止).これらは基準線間隔を変えずにフォントの大きさだけを変更するもの
342 である.なお \|\small*| の例が\ref{sec:config}節と次のページに示されている.
343
344 \item[句読点]
345 句点には全角の「.」,読点には全角の「,」を用いる.ただし英文中や数式
346 中で「.」や「,」を使う場合には,半角文字を使う.「。」や「、」は一切使
347 わない.
348
349 \item[全角文字と半角文字]
350 全角文字と半角文字の両方にある文字は次のように使い分ける.
351 %
352 \begin{enumerate}
353 \item 括弧は全角の「(」と「)」を用いる.但し,英文の概要,図表見出し,書誌
354 データでは半角の「(」と「)」を用いる.
355
356 \item
357 英数字,空白,記号類は半角文字を用いる.ただし,句読点に関しては,前項で述べ
358 たような例外がある.
359
360 \item
361 カタカナは全角文字を用いる.
362
363 \item
364 引用符では開きと閉じを区別する. 開きには \|``|(``) を用い,閉じには \|''|
365 ('') を用いる.
366 \end{enumerate}
367
368 \item[OverfullとUnderfull]
369 製版時にはoverfullを起こさないことを原則としている.従って,まず提出するソー
370 スが著者の環境でoverfullを起こさないように,文章を工夫するなどの最善の努力を
371 払っていただきたい.但し,\|flushleft| 環境,\|\\|,\|\linebreak| などによる
372 両端揃えをしない形でのoverfullを回避は,できるだけ避けていただきたい.また著
373 者の
374 環境では発生しないoverfullが,印刷時の環境では発生することもある.このような
375 事態をできるだけ回避するために,文中の長い数式や \|\verb| を避ける,パラグラフ
376 の先頭付近では長い英単語を使用しない,などの注意を払っていただきたい.
377
378 また,\verb|\\| をパラグラフの終りで使用すると
379 %
380 \begin{Quote}\small*
381 \|Underfull \hbox (badness 10000) detected|
382 \end{Quote}
383 %
384 のwarningが発生し,空行が挿入される.このような空行は見苦しく,また重要なエ
385 ラー・メッセージを見逃す原因にもなるので,ソースを提出する時点では全て除去さ
386 れているようにしていただきたい.特に,箇条書用環境の直前, \|\item| の直前,
387 箇条書用環境の末尾などで \verb|\\| を使うと,前述のwarning が出力されること
388 に注意していただきたい.
389 \end{description*}
390
391 % }{
392
393 \subsection{数式}\label{sec:Item}
394
395 \begin{Itemize}
396 \item 本文中の数式\\
397 本文中の数式は \|$| と \|$|, \|\(| と \|\)|, あるいは \|math| 環境のいずれで
398 囲んでもよい.なお \smash{$\frac{a}{b}$} (\|\frac{a}{b}|) のように背が高い要
399 素は見苦しくかつ行送りを乱すことにもなるので,使用しないようにしていただきた
400 い.
401
402 \item 別組の数式\\
403 別組数式(displayed math)については {\bf \|$$| と \|$$| は使用してはならない}.
404 すなわち \|\[| と \|\]| で囲むか, \|displaymath|, \|equation|, \|eqnarray|
405 のいずれかの環境を用いなければならない.これらは
406 %
407 \begin{equation}
408 \Delta_l = \sum_{i=l+1}^L\delta_{pi}
409 \end{equation}
410 %
411 のように,センタリングではなく固定字下げで数式を出力し,かつ背が高い数式によ
412 る行送りの乱れを吸収する機能がある.
413
414 \item \|eqnarray|環境\\
415 互いに関連する別組の数式が2行以上連続して現れる場合には,単に \|\[| と \|\]|,
416 あるいは \|\begin{equation}| と \|\end{equation}| で囲った数式を書き並べるの
417 ではなく,\|\begin|\allowbreak\|{eqnarray}| と \|\end{eqnarray}| を使って,
418 等号(あるいは不等号)の位置で縦揃えを行なった方が読みやすい.なお
419 \|eqnarray| の中では改ページが行なわれないので,行数が多く途中で改ページが起
420 こって欲しい場合には,\|\begin{eqnarray}[s]| のようにオプション \|[s]| を指
421 定すればよい.
422
423 \item 数式のフォント\\
424 {\LaTeX}が標準的にサポートしているもの以外の特殊な数式用フォントは,できるだ
425 け使わないようにしていただきたい.どうしても使用しなければならない場合には,
426 その旨申し出ていただくとともに,印刷工程に深く関与していただくこともあること
427 に留意されたい.
428 \end{Itemize}
429
430 % }{
431
432 \begin{figure}
433 \setbox0\vbox{
434 \hbox{\|\begin{figure}[tb]|}
435 \hbox{\quad \<図本体の指定\>}
436 \hbox{\|\caption{|\<和文見出し\>\|}|}
437 \hbox{\|\ecaption{|\<英文見出し\>\|}|}
438 \hbox{\|\label{| $\ldots$ \|}|}
439 \hbox{\|\end{figure}\|}}
440 \centerline{\fbox{\box0}}
441 \caption{1段幅の図}
442 \ecaption{Single column figure with caption\\
443 explicitly broken by $\backslash\backslash$.}
444 \label{fig:single}
445 \end{figure}
446
447 \subsection{図}
448
449 1段の幅におさまる図は,\figref{fig:single} の形式で指定する. 位置の指定に \|h|
450 は使わない.また,図の下に{\dg 和文と英文の双方の}見出しを,\|\caption| と %
451 \|\ecaption| で指定する.文字数が多い見出しはは自動的に改行して最大幅の行を
452 基準にセンタリングするが,見出しが2行になる場合には適宜 \|\\| を挿入して改行
453 したほうが良い結果となることがしばしばある(\figref{fig:single} の英文見出し
454 を参照).
455
456 \begin{figure}
457 \begin{minipage}[t]{0.5\columnwidth}
458 \footnotesize
459 \setbox0\vbox{
460 \hbox{\|\begin{minipage}[t]%|}
461 \hbox{\| {0.5\columnwidth}|}
462 \hbox{\|\CaptionType{table}|}
463 \hbox{\|\caption{| \ldots \|}|}
464 \hbox{\|\ecaption{| \ldots \|}|}
465 \hbox{\|\label{| \ldots \|}|}
466 \hbox{\|\makebox[\textwidth][c]{%|}
467 \hbox{\|\begin{tabular}[t]{lcr}|}
468 \hbox{\|\hline\hline|}
469 \hbox{\|left&center&right\\\hline|}
470 \hbox{\|L1&C1&R1\\|}
471 \hbox{\|L2&C2&R2\\\hline|}
472 \hbox{\|\end{tabular}}|}
473 \hbox{\|\end{minipage}|}}
474 \hbox{}
475 \centerline{\fbox{\box0}}
476 \caption{\protect\tabref{tab:right}の中身}
477 \ecaption{Contents of Table \protect\ref{tab:right}.}
478 \label{fig:left}
479 \end{minipage}%
480 \begin{minipage}[t]{0.5\columnwidth}
481 \CaptionType{table}
482 \caption{\protect\figref{fig:left}で作成した表}
483 \ecaption{A table built by Fig.\ \protect\ref{fig:left}.}
484 \label{tab:right}
485 \makebox[\textwidth][c]{\begin{tabular}[t]{lcr}\hline\hline
486 left&center&right\\\hline
487 L1&C1&R1\\
488 L2&C2&R2\\
489 \end{tabular}}
490 \end{minipage}
491 \end{figure}
492
493 \begin{figure*}
494 \setbox0\vbox{\large
495 \hbox{\|\begin{figure*}[t]|}
496 \hbox{\quad\<図本体の指定\>}
497 \hbox{\|\caption{|\<和文見出し\>\|}|}
498 \hbox{\|\ecaption{|\<英文見出し\>\|}|}
499 \hbox{\|\label{| $\ldots$ \|}|}
500 \hbox{\|\end{figure*}|}}
501 \centerline{\fbox{\hbox to.9\textwidth{\hss\box0\hss}}}
502 \caption{2段幅の図}
503 \ecaption{Double column figure.}
504 \label{fig:double}
505 \end{figure*}
506
507 また紙面スペースの節約のために、1つの \|figure|(または \|table|)環境の中に
508 複数の図表を並べて表示したい場合には、\figref{fig:left} と
509 \tabref{tab:right}のように個々の図表と各々の \|\caption|/\|\ecaption| を
510 \|minipage| 環境に入れることで実現できる。なお図と表が混在する場合、
511 \|minipage| 環境の中で\|\CaptionType{figure}| あるいは \|\CaptionType{table}|
512 を指定すれば、外側の環境が \|figure| であっても \|table| であっても指定され
513 た見出しが得られる。
514
515 2段の幅にまたがる図は,\figref{fig:double} の形式で指定する. 位置の指定は
516 \|t| しか使えない.
517
518 図の中身では本文と違い,どのような大きさのフォントを使用しても構わない
519 (\figref{fig:double} 参照).また図の中身として,encapsulate された
520 PostScript ファイル(いわゆるEPSファイル)を読み込むこともできる.読み込みの
521 ためには,プリアンブルで
522 %
523 \begin{Quote}
524 \|\usepackage{graphicx}|
525 \end{Quote}
526 %
527 を行った上で,\|\includegraphics| コマンドを図を埋め込む箇所に置き,その引数
528 にファイル名(など)を指定する.また{\LaTeX} 2.09の場合は,\|epsf| を
529 \|\documentstyle| のオプションで指定し,\|\epsfile| コマンドで図を埋め込む.
530
531 この節を注意深く見ると,\figref{fig:single} や\figref{fig:double} の最初の参照
532 はゴチック体であるのに対し,2回目以降では明朝体であるのに気づくだろう.この
533 切替えは論文誌の伝統的体裁に基づくもので,図の参照を(「図\hbox{\|\ref{|\<ラ
534 ベル\>\|}|}」ではなく)\|\figref{|\<ラベル\>\|}|を用いて行なえば自動的に成され
535 る.
536
537 % }{
538
539 \subsection{表}
540
541 表の罫線はなるべく少なくするのが,仕上がりをすっきりさせるコツである.罫線を
542 つける場合には,一番上の罫線には二重線を使い,左右の端には縦の罫線をつけない
543 (\tabref{tab:example}).表中のフォントサイズのデフォルトは\|\small|である.
544
545 また,表の上に{\dg 和文と英文の双方の}見出しを, \|\caption|と \|\ecaption|
546 で指定する.表の参照は \|\tabref{|\<ラベル \>\|}| を用いて行なう.
547
548 \begin{table}[b] \caption{箇条書環境の使用箇所(表の例)} \ecaption{Sections
549 and sub-sections in which list-like environments are used (example of
550 table).} \label{tab:example}
551 % 左右の罫線はつけず,一番上の罫線は二重線
552 \hbox to\hsize{\hfil
553 \begin{tabular}{l|lll}\hline\hline
554 &enumerate&itemize&description\\\hline
555 type-1& \ref{sec:enum}& \ref{sec:item}& ---\\
556 type-2& ---& \ref{sec:item*}&\ref{sec:desc*}\\
557 type-3& \ref{sec:Enum}& \ref{sec:Item}& \ref{sec:Desc}\\
558 type-4& \ref{sec:ENUM}& \ref{sec:ITEM}& \ref{sec:DESC}\\\hline
559 \multicolumn{4}{l}{type-1\,: enumerate等\quad type-2\,: enumerate*等}\\
560 \multicolumn{4}{l}{type-3\,: Enumerate等\quad type-4\,: ENUMERATE等}\\
561 \end{tabular}\hfil}
562 \end{table}
563
564 % }{
565
566 \subsection{箇条書}\label{sec:item*}
567
568 論文誌では箇条書に関する形式を特に定めておらず,場合に応じて様々な様式が用い
569 られている.スタイルファイルでは,{\LaTeX} の箇条書用の環境である
570 \|enumerate|, \|itemize|, \|description| に4種類のファミリーを設け,状況に応
571 じた使い分けができるようにしている.
572 %
573 \begin{itemize*}
574 \item \|enumerate|, \|itemize|, \|description|\\
575 {\LaTeX} の標準的なものと同じ.但しインデンテーションは \|enumerate| では全角3
576 文字分,その他は全角2文字分である.また \|enumerate| のラベルは,標準の
577 %
578 \begin{quote}
579 1.\quad (a)\quad i.\quad A.
580 \end{quote}
581 %
582 ではなく,
583 %
584 \begin{quote}
585 (\,1\,)\quad (\,a\,)\quad (\,i\,)\quad (\,A\,)
586 \end{quote}
587 %
588 のように全て括弧付きであり,数字などの前後に小さな空白が挿入される.
589
590 \item \|enumerate*|, \|itemize*|, \|description*|\\
591 \|enumerate|などとほぼ同じだが,インデンテーションは全角1文字分である.
592
593 \item \|Enumerate|, \|Itemize|, \|Description|\\
594 文章のインデンテーションを行なわない.
595
596 \item \|ENUMERATE|, \|ITEMIZE|, \|DESCRIPTION|\\
597 文章のインデンテーションを行なわず,先頭行(ラベルがある行)を全角1文字分だ
598 けインデントする.
599 \end{itemize*}
600 %
601 \tabref{tab:example} に示すように
602 このパンフレットの各章/節に各々の環境の使用例があるので,適宜参照されたい.
603
604 % }{
605
606 \subsection{左右の段の行揃え}
607
608 文章の記述のところでも述べたように,論文誌では左右の段で行の位置をそろえる必
609 要がある.ユーザが特別な高さのボックスを使ったために行の位置が乱れてしまうよ
610 うな場合には,その部分を \|\begin|\allowbreak\|{adjustvboxheight}| と %
611 \|\end|\allowbreak\|{adjustvboxheight}| で囲っていただきたい.この環境は中途
612 半端な行送りを吸収するためのものである.例えば次の;
613 %
614 \begin{adjustvboxheight}
615 \begin{quote}
616 \fbox{$\displaystyle\sum_{i=0}^n i$}
617 \end{quote}
618 \end{adjustvboxheight}
619 %
620 は,以下のようにして出力したものである.
621 %
622 \begin{Quote}
623 \|\begin{adjustvboxheight}|\\
624 \|\begin{quote}|\\
625 \|\fbox{$\displaystyle\sum_{i=0}^n i$}|\\
626 \|\end{quote}|\\
627 \|\end{adjustvboxheight}|
628 \end{Quote}
629 %
630 ただしこのようなものを本文中に挿入することを推奨しているわけではない.
631
632 % }{
633
634 \subsection{脚注}
635 脚注は \|\footnote| コマンドを使って書くと,ページ単位に\footnote{脚注の例.}
636 や\footnote{二つめの脚注.}のような参照記号とともに脚注が生成される.なお,
637 ページ内に複数の脚注がある場合,参照記号は {\LaTeX} を2回実行しないと正しく
638 ならないことに注意されたい.
639 ({\LaTeX} ブック \cite{latex} の156ページ参照.)
640
641 また場合によっては,脚注をつけた位置と脚注本体とを別の段に置く方がよいことも
642 ある.この場合には,\|\footnotemark| コマンドや \|\footnotetext| コマンドを
643 使って対処していただきたい.
644
645 % }{
646
647 \subsection{参考文献の参照}
648
649 本文中で参考文献を参照する場合には,参考文献番号が文中の単語
650 として使われる場合と,そうでない参照とでは,使用する文字の大きさが異
651 なる.前者は\|\Cite|により参照し,後者は\|\cite|により参照する.たとえば;
652 %
653 \begin{Quote}
654 文献 \|\Cite{total}| は \|\LaTeX\cite{latex}| の総合的な解説書である.
655 \end{Quote}
656 %
657 と書くと;
658 %
659 \begin{Quote}
660 文献\Cite{total}は\LaTeX\cite{latex}の総合的な解説書である.
661 \end{Quote}
662 %
663 が得られる.
664
665 また,一つの \|\Cite| あるいは \|\cite| コマンドで三つ以上の文献を参照し,か
666 つそれらの参照番号が連続している場合,\Cite{article1,article2,article3}や
667 「文献\cite{latex,article4,article5,article6}」のように,自動的に先
668 頭と末尾の文献番号が `--' (en-dash) で結合される.なお,非常に多数の文献を参
669 照し,それら全てを \|\Cite| や \|\cite|で指定するのが面倒な場合は
670 %
671 \begin{Quote}\raggedright
672 \|\multiCite{|\<先頭文献のラベル\>\|}|\nobreak\hskip-2em\allowbreak
673 \hspace*{2em}\hbox{\|{|\<末尾文献のラベル\>\|}|}\\
674 \|\multicite{|\<先頭文献のラベル\>\|}|\nobreak\hskip-2em\allowbreak
675 \hspace*{2em}\hbox{\|{|\<末尾文献のラベル\>\|}|}
676 \end{Quote}
677 %
678 を用いて,\multiCite{article1}{book3}や「文献
679 \multicite{booklet1}{unpublished}」のような結果を得ることもできる.
680
681 % }{
682
683 \subsection{参考文献リスト}
684
685 参考文献リストには,原則として本文中で引用した文献のみを列挙する.順序は参照
686 順あるいは第一著者の苗字のアルファベット順とする.文献リストは BiB{\TeX}
687 と \|ipsjunsrt.bst|(参照順)または \|ipsjsort.bst|(アルファベット順)を用
688 いて作り,\|\bibliograhpystyle| と \|\bibliography| コマンドにより読み込むこ
689 とを原則とする\footnotemark .これらを用いれば,規定の体裁にあったものができ
690 %
691 % 23 行下の \footnotetext 参照.
692 %
693 るので,できるだけ利用していただきたい.
694 なおこのガイドの参考文献は,\|bibsample.bib| を文献スタイル \|ipsjunsort| で
695 処理した結果であるので,両者を適宜参照されたい.また製版用のファイル群には
696 \|.bib| ファイルではなく \|.bbl| ファイルを必ず含めることに注意されたい.
697
698 一方,何らかの理由で \|thebibliography| 環境で文献リストを「手作り」しなけれ
699 ばならない場合は,このガイドの参考文献リストを注意深く見て,そのスタイルにし
700 たがっていただきたい.
701
702 % }{
703
704 \subsection{謝辞,付録}
705
706 謝辞がある場合には,参考文献リストの直前に置き,\|acknowledgment|環境の中に
707 入れる.この環境の中身は投稿時には出力されない.
708
709 付録がある場合には,参考文献リストの直後にコマンド \|\appendix| に引き続いて
710 書く.なお付録では,\|\section| コマンドが{\bf A.1},{\bf A.2}などの見出しを
711 生成する.また付録全体に見出しをつける場合には,\|\appendix[|\<見出し\>\|]| %
712 のように見出しをオプション引数として与える.
713
714 \footnotetext{このガイドはファイルを一つにするために
715 {\TT thebibliography} 環境を用いているが,その中身はBiB{\TeX}で作成したもの
716 である.
717 また,このfootnoteは左カラムにマークがあるのにfootnote自体は
718 右カラムに現われている.これは簡単なトリックで実現できる.ソースファイ
719 ル参照.}
720 % 31 行上の \footnotemark 参照.
721
722 % }{
723
724 \subsection{著者紹介}\label{sec:DESC}
725
726 本文の最後(\|\end{document}| の直前)に,以下のように著者紹介を記述する.
727 %
728 \begin{quote}
729 \|\begin{biography}|\\
730 \|\member{|\<第一著者名\>\|}|\\
731 \mbox{}\quad\<第一著者の紹介\>\\
732 \|\member{|\<第二著者名\>\|}|\\
733 \mbox{}\quad\<第二著者の紹介\>\\
734 \mbox{}\quad $\ldots\ldots\ldots$ \\
735 \|\end{biography}|
736 \end{quote}
737 %
738 なお著者が学生会員あるいは非会員の場合は,正会員用の \|\member| の代わりに
739 下記を用いる.
740 %
741 \begin{DESCRIPTION}
742 \item[学生会員]:\|\stmember{|\<著者名\>\|}|
743 \item[非会員\phantom{あ}]:\|\nomember{|\<著者名\>\|}|
744 \end{DESCRIPTION}
745 %
746 なお著者紹介は投稿時には出力されない.
747
748 % }{
749
750 \subsection{ページ数の見積り}
751
752 投稿用スタイルでは1ページが\(35\hbox{字}\times32\hbox{行}=1120\hbox{字}\),
753 また製版用では\(24\hbox{字}\times46\hbox{行}\times2\hbox{段}=2208\hbox{字}\)
754 である.したがって粗い見積りとして,製版時には投稿時の半分のページ数になると
755 考えることができる.たとえば,このガイドは投稿用では19ページ,製版用では9ペー
756 ジであるので,ほぼ見積った通りである.
757
758 また投稿用のファイルを製版用にするのは簡単であるので,投稿時にあらかじめどの
759 ように製版されるかを試せば,もっと良い見積りが得られる.
760
761 % }{
762
763 \section{おわりに}
764
765 論文誌の {\LaTeX} 化は10年以上の運用実績があるが,解決されていない問題点も
766 皆無とはいえない.
767 これらを著者の方々の御協力を仰ぎつつ,少しでも使いやすく
768 するための改良を加えていくつもりである.そこで,スタイル・ファイルに関する要
769 望や意見を,是非
770 %
771 \begin{Quote}
772 \|texnicians@ipsj.or.jp|
773 \end{Quote}
774 %
775 までお寄せいただきたい.また技術的な質問も同じアドレスで受け付けるが,その他
776 の一般的な質問については
777 %
778 \begin{Quote}
779 \|editt@ipsj.or.jp|
780 \end{Quote}
781 %
782 にお寄せいただきたい.
783
784 \begin{acknowledgment}
785 論文誌の {\LaTeX}化に御協力いただいた三美印刷(株),(株)ウルス,ならびに
786 試行のためのボランティアをお願いした著者の皆様に,謹んで感謝の意を表する.
787 \end{acknowledgment}
788
789 % }{
790
791 \begin{thebibliography}{10}
792
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832
833 \bibitem{booklet1}
834 新世代コンピュータ技術開発機構:第五世代コンピュータプロジェクトの概要,{FGCS'%
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836
837 \bibitem{unpublished}
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839 \newblock (論文著者に配布).
840
841 \end{thebibliography}
842
843 % }{
844
845 \appendix
846 \section{研究会論文誌用コマンド}\label{sec:app-trans}
847
848 各研究会論文誌(トランザクション)には各々に固有のサブタイトル,略称,通番が
849 ある.製版用原稿では,以下のコマンドを\|\begin{document}|の前に置くことによ
850 り,これらの情報を与える.
851 %
852 \begin{itemize}\item[]
853 \|\transaction{|\<略称\>\|}{|\<巻数\>\|}{|\<号数\>\|}|
854 \end{itemize}
855 %
856 なお\<略称\>は以下のいずれかであり,\<巻数\>と\<号数\>は学会あるいは研究会論
857 文誌編集委員会の指示に基づいて与える.
858 %
859 \begin{itemize}%{
860 \item
861 \|PRO|(プログラミング)
862 \item
863 \|TOM|(数理モデル化と応用)
864 \item
865 \|TOD|(データベース)
866 \item
867 \|ACS|(コンピューティングシステム)
868 \item
869 \|CVIM|(コンピュータビジョンとイメージメディア)
870 \item
871 \|TBIO|(Bioinformatics)\footnote{%
872 TBIO, SLDM, CVAは英文論文誌であるので和名はない.}
873 \item
874 \|SLDM|(System LSI Design Methodology)\footnotemark[1]
875 \item
876 \|CVA|(Computer Vision and Applicaitons)\footnotemark[1]
877 %
878 \end{itemize}%}
879 %
880 また上記の\<号数\>は発行月とは連動していないので,学会あるいは編集委員会の指
881 示に基づき発行月を;
882 %
883 \begin{itemize}\item[]
884 \|\setcounter{|{\bf 月数}\|}{|\<発行月\>\|}|
885 \end{itemize}
886 %
887 によって指定する.
888
889 この他,以下の各節で示すように,いくつかの論文誌に固有の機能を実現するための
890 コマンドなどが用意されている.
891
892 % }{
893
894 \subsection{「プログラミング」固有機能}
895
896 「論文誌:プログラミング」には論文以外に,プログラミング研究会での研究発表の
897 内容梗概が含まれている.この内容梗概は,\|\documentclass|または
898 \|\documentstyle|のオプションとして\|abstract|を指定した上で,
899 \ref{sec:config}節の\|\maketitle|までの内容からなるファイル(すなわち本文が
900 ないファイル)から生成する.なお\|\|{\bf 受付}や\|\|{\bf 採録}は不要であるが,
901 代わりに発表年月日を;
902 %
903 \begin{itemize}\item[]
904 \|\|{\bf 発表}\|{|\<年\>\|}{|\<月\>\|}{|\<日\>\|}|
905 \end{itemize}
906 %
907 により指定する.
908
909 % }{
910
911 \subsection{「数理モデル化と応用」固有機能}
912
913 「論文誌:数理モデル化と応用」の論文では,受付や採録の日付以外に再受付日付を
914 記載するように指示されることがある.その場合には;
915 %
916 \begin{itemize}\item[]
917 \|\|{\bf 再受付}\|{|\<年\>\|}{|\<月\>\|}{|\<日\>\|}|
918 \end{itemize}
919 %
920 により指定する.なお複数回の再受付が行われた場合,上記のコマンドを繰り返し使
921 用する.
922
923 % }{
924
925 \subsection{「データベース」固有機能}
926
927 「論文誌:データベース」の論文の担当編集委員の氏名は;
928 %
929 \begin{itemize}\item[]
930 \|\edInCharge{|\<氏名\>\|}|
931 \end{itemize}
932 %
933 により指定する.
934
935 % }{
936
937 \subsection{「Bioinformatics」固有機能}
938
939 Trans.\ Bioinformatics (TBIO)に固有の機能を利用するためには,\|\documentclass|
940 (または\|\documentstyle|)のオプションで\|TBIO|を指定する.なおTBIOは英文論
941 文誌であるので,\|TBIO|オプションの指定によって自動的に\|english|オプション
942 が指定されたものとみなされる.したがって;
943 %
944 \begin{itemize}\item[]
945 \|\documentclass[TBIO]{ipsjpaper}|
946 \end{itemize}
947 %
948 のように\|english|オプションを省略することができる.またこのオプションの指定
949 により,以下のコマンドが使用可能となる.
950 %
951 \begin{itemize}%{
952 \item
953 論文の種別は;
954 %
955 \begin{itemize}\item[]
956 \|\TBIOpapercategory{|\<種別\>\|}|
957 \end{itemize}
958 %
959 を用いて,\|original|, \|survey|, \|database| のいずれかを指定する.この結果,
960 ``{\it Original Paper}'', ``{\it Survey Paper}'' または ``{\it
961 Database\slash Software Paper}'' のいずれかが先頭ページのタイトルの左上に表
962 示される.なおこのコマンドが与えられなければ \|original| とみなされる.
963
964 \item
965 担当編集委員の氏名は;
966 %
967 \begin{itemize}\item[]
968 \|\edInCharge{|\<氏名\>\|}|
969 \end{itemize}
970 %
971 により指定する.
972
973 \item
974 査読過程で条件付採録となった論文の再受付日は;
975 %
976 \begin{itemize}\item[]
977 \|\rereceived{|\<年\>\|}{|\<月\>\|}{|\<日\>\|}|
978 \end{itemize}
979 %
980 により指定する.
981
982 \end{itemize}%}
983 %
984 なお後の2つのコマンドの使用はオプショナルであり,学会あるいは編集委員会から
985 の情報提供や指示がなければ省略しても構わない.
986
987 % }{
988
989 \section{研究報告の作成}\label{sec:app-sig}
990 研究報告が完全オンライン化されたことに伴い、学会のフォーマットに準拠した掲載
991 版PDF作成が著者の責務となった。この掲載版は \|\documentclass| のオプションに
992 \|techrep| を指定することで簡単に作成できる。ただし各ページ右下隅の著作権表示
993 部分に印字される西暦年を、研究報告掲載日に応じてカウンタ\textbf{年数}(または
994 \|year|)に \|\setcounter| を用いて設定する必要があることに注意されたい%
995 \footnote{%
996 プリアンブルでカウンタが設定されていない場合には警告メッセージが表示され、
997 \LaTeX の実行日に基づく値が設定される。}。
998
999 % }{
1000
1001 \begin{biography}
1002 \member{中島 浩}
1003 昭和31年生.
1004 昭和56年京都大学大学院工学研究科情報工学専攻修士課程修了.
1005 同年三菱電機(株)入社.
1006 推論マシンの研究開発に従事.
1007 平成4年より京都大学工学部助教授.
1008 平成9年より豊橋技術科学大学教授.
1009 平成18年より京都大学教授.
1010 並列計算機のアーキテクチャ,プログラミング言語の実装方式に関する研究に従事.
1011 工学博士.昭和63年元岡賞,平成5年坂井記念特別賞受賞.IEEE-CS, ACM, ALP, TUG
1012 各会員.
1013 %
1014 \member{斉藤 康己}
1015 昭和28年生.
1016 昭和53年英国エセックス大学よりM.Sc.(AI研究).
1017 昭和54年東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻修士課程修了.
1018 同年電電公社入社.
1019 昭和59年から60年にかけて仏国INRIA客員研究員.
1020 現在NTT基礎研究所主幹研究員.
1021 人工知能(Symbol Grounding Problem),計算機ソフトウェア(\TeX の日本語化),
1022 認知科学(理解プロセスの解明)などの研究に従事.
1023 訳書に『メタマジック・ゲーム』(D. ホフスタッター著, 共訳, 白揚社)など.
1024 人工知能学会,ソフトウェア科学会,日本認知科学会,Cognitive Science Society,
1025 TUG各会員.
1026 \end{biography}
1027 \end{document} 192 \end{document}