view paper/chapter2.tex @ 12:ddab34e04068

add pdf and modify chapter2
author sugi
date Sun, 11 Jan 2015 23:00:07 +0900
parents 0b3e5436fa48
children ef47dab5764f
line wrap: on
line source

\chapter{Aliceを使った例題} \label{chapter:chapter2}
この章ではAliceを用いて作成されたアプリケーションを紹介する。これらのアプリケーションでAliceの性能テスト、必要な機能の洗い出しを行っている。
\section{AliceVNC} \label{section:AliceVNC}
AliceVNCは、当研究室で開発を行っているTreeVNCをAliceを用いて実装された、授業向け画面共有システムである。

授業でVNCを使う場合、1つのコンピュータに多人数が同時につながるため、性能が大幅に落ちるという問題がある(図\ref{fig:vnc})。この問題をノード同士を接続させ、木構造を構成することで負荷分散を行い解決したものがTreeVNCである(図\ref{fig:treestructure})。TreeVNCは、TightVNCのソースコードを利用して開発されている。

\begin{figure}[htbp]
 \begin{minipage}{0.5\hsize}
  \begin{center}
   \includegraphics[width=80mm]{images/vnc.pdf}
  \end{center}
  \caption{VNCの構造}
  \label{fig:vnc}
 \end{minipage}
 \begin{minipage}{0.5\hsize}
 \begin{center}
  \includegraphics[width=80mm]{images/treestructure.pdf}
 \end{center}
  \caption{TreeVNC, AliceVNCの構造}
  \label{fig:treestructure}
 \end{minipage}
\end{figure}

しかし、TreeVNCにも問題が存在する。ノードを木構造にするためアプリケーション内で管理する必要があるが、不特定多数のノードを管理することは容易ではない。また、通信プロトコルは、TightVNCのプロトコルを拡張して利用している。アプリケーション層でプロトコルを拡張する場合、サーバとクライントの両方のプログラムコードを変更する必要があり、プロトコル処理部の保守性を維持していくことが難しい。

実際に、プロトコルを拡張したことにより予想外のエラーでTreeVNCが強制終了することがある。

さらに、TighVNCのアップデートに対応する必要がある。だが、アップデートによってはパッケージ構成が変更され、元のコードが残っていないことも考えられる。この場合、新しいTightVNCに作成した機能を1つずつ移行するしなければならないためコストが高い。

%分散アプリケーションは、デバックが行い難くエラーを再現することですら難しい。

これらの問題は、分散フレームワークAliceを使うことで解決することができる。ノードの管理は全てAliceが行なうため、プログラマーは画面共有の処理のみ記述すれば良い。プロトコルはAlice上で構築することでTightVNCのプロトコルと干渉することがないため、エラーが起こった場合はAliceで記述したコードのみを確認すればよい。
アップデートの問題に関しては、TightVNCに必要なデータをputする処理さえ追加すれば良いため、問題なく対応できるはずである。

Aliceが以上の問題に対応できることを証明するため、また実用的なアプリケーションの記述が可能であるかを検証するためAliceVNCの開発を行った。

\subsection{AliceVNCの原理}
従来のVNCとTreeVNCの構造を比較した図を(図\ref{fig:comparenormalandtree})に示す。

\begin{figure}[!htbp]
\begin{center}
\includegraphics[width=130mm]{./images/comparenormalandtree.pdf}
\end{center}
\caption{AliceVNCの構造}
\label{fig:comparenormalandtree}
\end{figure}


表\ref{tb:oneporttraffic}はポート一本あたりの通信量である。従来のVNCの場合、ポート一本あたりの負荷はノード数に比例して増える。しかし、AliceVNCの場合はTreeの子供の数が一定なので、Node数に関係なく一定である。通信量が増えるほど、CPUに負荷がかかり性能が低下する。AliceVNCの場合、通信量は一定なので性能が低下せず使用することができる。

\begin{table}[htbp]
\caption{ポート一本あたりの通信量(NはNode数、MはTreeの子供の数)}
\label{tb:oneporttraffic}
\begin{center}
  \begin{tabular}{|c|c|c|} \hline
    & 従来のVNC & AliceVNC  \\ \hline
    通信量 & N * データ量 & (M + 1) * データ量  \\ \hline
  \end{tabular}
\end{center}
\end{table}

\subsection{表示画面の切り替え}
ゼミなど発表者が多数いる場合、発表者が変わるたびにアプリケーションを立ち上げ直すのは手間である。
そのため、アプリケーションに切り替えの機能を実装するのが望ましい。そこで、AliceVNCに切り替えの機能を実装した。

TreeVNCにも同様に切り替え機能が存在するが、AliceVNCの切り替え機能と挙動が異なる(図\ref{fig:changeTree} \ref{fig:changeAlice})。

\begin{figure}[htbp]
 \begin{minipage}{0.5\hsize}
  \begin{center}
   \includegraphics[width=80mm]{images/changeTreeVNC.pdf}
  \end{center}
  \caption{TreeVNCにおける切り替え}
  \label{fig:changeTree}
 \end{minipage}
 \begin{minipage}{0.4\hsize}
 \begin{center}
  \includegraphics[width=80mm]{images/changeAliceVNC.pdf}
 \end{center}
  \caption{AliceVNCにおける切り替え}
  \label{fig:changeAlice}
 \end{minipage}
\end{figure}


%図の変更
TreeVNCの場合、Root Nodeが切り替えを要求したノードに対して接続を行う。AliceVNCの場合、切り替えを要求したノードが自分自身に対して接続を行う。そのため、AliceVNCは、VNC Serverとノード間の通信が速いという利点がある。しかし、図 \ref{fig:changeAlice}のように底辺にいるノードが配信を行った場合、全体に行き渡るまでにルートノードが配信する場合の2倍の時間がかかるという欠点も存在する。

\section{水族館の例題(JavaFx)}


\section{Jungle}

\section{bitonic sort}
bitnic sortは並列ソートであり、Aliceがマルチコアに対応していることを確認するため実装した。

\begin{figure}[htbp]
\begin{center}
\includegraphics{images/sortflow.pdf}
\end{center}
\caption[width=100mm]{sort flow}
\label{fig:sortflow}
\end{figure}

\subsection{処理の流れ}
指定された数の乱数を生成し、Sortを行う例題である。
また、図\ref{fig:bitonicSort}はSortされるまでの流れをコラボレーションダイアグラムで示したものである。
\begin{enumerate}
\item SetTask (Code Segment)が乱数列を分割してarray1とarray2にputする。
\item \label {fig:start}replyされたData SegmentをSort (Code Segment)で昇順に整列させる。
\item \label {fig:end}整列された配列を分割する。上半分をarray1-F、下半分をarray1-Bにputする。
\item 分割した各数列(array2)に対しても同様に \ref{fig:start}と\ref{fig:end}を行う。
\item \label {fig:start2}replyされた2つのData Segment(array1-B、array2-F)を合体させ、整列させる。
\item 整列された配列の上半分をarray1-B、下半分をarray2-Fにputする。
\item \label {fig:start1}replyされた2つのData Segment(array1-F、array1-B)を合体させ、整列させる。
\item \label {fig:end1}整列された配列の上半分をarray1-F、下半分をarray1-Bにputする。
\item \label {fig:end2}array2に対しても操作 \ref {fig:start1} と\ref {fig:end1} を行う。
\item \ref {fig:start2} - \ref {fig:end2} を繰り返し行うことで全体がSortされる。
\end{enumerate}

\begin{figure}[htbp]
\begin{center}
\includegraphics{images/bitonicsort.pdf}
\end{center}
\caption{Aliceにおけるbitonic sortの動き}
\label{fig:bitonicSort}
\end{figure}