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author | Yuhi TOMARI <yuhi@cr.ie.u-ryukyu.ac.jp> |
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date | Tue, 17 Feb 2015 19:03:27 +0900 |
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\chapter{マルチプラットフォームな\\フレームワークにおける\\並列プログラミング} \pagenumbering{arabic} % 動画の編集や再生、ゲームといったPCやタブレット等の端末でできる事・やりたい事が増えてきている。 % PCやタブレットの一般的な利用方法として動画の編集や再生、ゲームといったアプリケーションの利用が挙げられる。 % Rednering や物理演算といった処理から プログラムが PC に要求する処理性能は上がってきているが、 %-ゲームや動画再生といったアプリケーションが高水準(?)になるにつれて %-高水準:高解像度だったり、ぬるぬる動いたり 消費電力・発熱・クロックの限界から、 CPU の性能を上げることによる処理性能の向上は難しい。 プロセッサメーカーはマルチコア CPU や GPU を含むヘテロジニアス構成の路線を打ち出している。 クロックの性能を上げるのではなく、コア数を増やすことでパフォーマンスを向上させている。 マルチコア CPU や GPU といったマルチプラットフォームなアーキテクチャ上でリソースを有効活用するには、 それぞれのプラットフォームに対して最適な形でプログラムを並列に動作させる必要がある。 ここでいう最適な形とは、実行の順番やどのリソース上で Task を実行するかといった Scheduling を含めたチューニングの事である。 しかしこれらのチューニングは複雑で、コーディング時に毎回行うと煩雑さや拡張性の点で問題がある。 そういった問題を解決するため、本研究では並列プログラミングフレームワーク Cerium の開発を行った。 Cerium によりプラットフォーム間で統一的にコードを記述できる。 一般的なマルチプラットフォームフレームワークとして OpenCL や CUDA が挙げられるが、 これらと同等の並列度を維持したい。 Cerium では Task という単位で処理を記述し、それらは並列に実行される。 プログラマが Task 間の依存関係を設定するとパイプラインが構成され、高い並列度で実行される。 プログラマが生成した Task は TaskManager に送信され、設定した依存関係の解決を行った後、 Scheduler に送信される。 Scheduler がパイプラインの機構を持っており、Task はそのパイプラインに沿って実行される。 Scheduler が受信した Task は既に TaskManager が依存関係を解決しているため、実行順序は任意で良い。 計算機において並列処理を行うための設計様式として、1つの命令を同時に複数のデータに適用し、並列に処理する方式がある。 これをSIMD と呼ぶ。 GPU や Cell といったヘテロジニアスなアーキテクチャでは、 SIMD 型が主流である。 Cerium は SIMD 型において高い並列度を維持するため、データ並列実行の機構を備えている。 Cerium においてプログラマは Task を記述し、Input データを用意した後はデータ並列用の API で Task を spawn するだけで データ並列実行することができる。 TaskManager はプログラマが記述した単一の Task を複数生成し、 受け取ったデータ(Input/Output)に対しその Task を割り当てる。 生成した復数の Task を並列実行する事でデータ並列実行を実現した。 Sort 、Word Count 、FFT の例題を元に、 Cerium の持つ並列実行機構がマルチプラットフォームにおける並列プログラミングで有効に作用する事を示す。