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author | mir3636 |
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date | Sun, 12 Feb 2017 19:02:01 +0900 |
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\chapter{Continuation based C (CbC)} \section{Continuation based C (CbC)} CbC は 処理を Code Gear とした単位を用いて記述するプログラミング言語である。 Code Gear から次の Code Gear へと goto による継続で遷移をし処理を行う。 図\ref{fig:cs}は Code Gear 間の処理の流れを表している。 \begin{figure}[htpb] \begin{center} \scalebox{0.7}{\includegraphics{fig/codesegment.pdf}} \end{center} \caption{goto による code gear 間の継続} \label{fig:cs} \end{figure} \section{Code Gear} Code Gear は CbC における最も基本的な処理単位である。 リスト \ref{code_simple} は最も基本的な CbC のコードの一例で、図 \ref{fig:code_simple}はそれを図示したものである。 CbC では Code Gear は \_\_code という型を持つ関数の構文で定義される。 Code Gear は戻り値を持たないので、関数とは異なり return 文は存在しない。goto の後に Code Gear 名と引数を並べて、次の Code Gear の遷移を記述する。 この goto の行き先を継続と呼ぶ。Scheme の継続と異なり CbC には呼び出し元の環境がないので、この継続は単なる行き先である。したがってこれを軽量継続と呼ぶこともある。 軽量継続により、並列化、ループ制御、関数コールとスタックの操作を意識した最適化がソースコードレベルで行えるようにする。 \begin{lstlisting}[frame=lrbt,label=code_simple,caption={\footnotesize code segment の軽量継続}] __code cs0(int a, int b){ goto cs1(a+b); } __code cs1(int c){ goto cs2(c); } \end{lstlisting} \begin{figure}[htpb] \begin{center} \scalebox{0.55}{\includegraphics{fig/codesegment2.pdf}} \end{center} \caption{code segment の軽量継続} \label{fig:code_simple} \end{figure} \section{環境付き継続} 環境付き継続は C との互換性のために必要な機能である。 CbC と C の記述を交える際、CbC の Code Gear から C の関数の呼び出しは問題なく行える。 しかし、C の関数から CbC の Code Gear へと継続する場合、呼び出し元の環境に戻るための特殊な継続が必要となる。 これを環境付き継続と呼ぶ。 環境付き継続を用いる場合、C の関数から Code Gear へ継続する際に \_\_ return、\_\_environment という変数を渡す。 \_\_return は \_\_code (*)(return\_type, void*) 型の変数で環境付き継続先が元の環境に戻る際に利用する Code Gear を表す。 \_\_environment は void** 型の変数で元の関数の環境を表す。 リスト\ref{gotoWithTheEnv}では関数 funcB から Code Gear cs に継続する際に環境付き継続を利用している。 cs は funcB から渡された Code Gear へ継続することで元の C の環境に復帰することが可能となる。 但し復帰先は \_\_return を渡した関数が終了する位置である。 このプログラムの例では、関数 funcA は戻り値として funcB の終わりにある -1 ではなく、環境付き継続によって渡される 1 を受け取る。 図\ref{fig:gotoWithTheEnv}にこの様子を表した。 \begin{lstlisting}[frame=lrbt,label=gotoWithTheEnv,caption={環境付き継続}] __code cs(__code (*ret)(int, void*), void *env){ /* C0 */ goto ret(1, env); } int funcB(){ /* B0 */ goto cs(__return, __environment); /* B1 (never reached). */ return -1; } int funcA(){ /* A0 */ int retval; retval = funcB(); /* A1 */ printf("retval = %d\n", retval); /* retval should not be -1 but be 1. */ return 0; } \end{lstlisting} \begin{figure}[htpb] \begin{center} \scalebox{0.55}{\includegraphics{fig/gotowithenv.pdf}} \end{center} \caption{環境付き継続} \label{fig:gotoWithTheEnv} \end{figure} このように、環境付き継続を用いることで C、CbC 間の処理の移動が可能になる。 %Data Gear はデータの単位であり、int や文字列などの Primitive Type を持っている。 %Code Gear は 任意の数の Input Data Gear を参照して処理を行い、Output Data Gear を出力し処理を終える。 %また、接続された Data Gear 以外には参照を行わない。 %処理やデータの構造が Code Gear、Data Gear に閉じているため、これにより実行時間、メモリ使用量などを予測可能なものにすることが可能になる。