Mercurial > hg > Papers > 2020 > itsuki-thesis
diff final_main/chapter4/chapter4.tex @ 4:c1732eac57f6
add some section
author | ichikitakahiro <e165713@ie.u-ryukyu.ac.jp> |
---|---|
date | Fri, 07 Feb 2020 21:12:05 +0900 |
parents | 97d58fdc8185 |
children | 59f9d2488005 |
line wrap: on
line diff
--- a/final_main/chapter4/chapter4.tex Tue Feb 04 17:40:50 2020 +0900 +++ b/final_main/chapter4/chapter4.tex Fri Feb 07 21:12:05 2020 +0900 @@ -3,134 +3,21 @@ %%文書開始**************************** \begin{document} %%************************************** -\chapter{Christieについて} - -Christieは当研究室で開発している分散フレームワークである. Christieには分散プログラムを簡潔に書くための工夫が複数ある. -本章ではChristieについて述べる. -\section{Christieとは} -ChristieはJavaで書かれた分散フレームワークである. Christieは当研究室で開発している GearsOSに組み込まれる予定がある. そのため, GearsOS を構成する言語 Continuation based C と似た概念がある. Christie に存在する概念として次のようなものがある. - +\chapter{スター型接続によるネットワーク通信} +リモートエディタのセッションに参加するノード(ユーザ)はスター型で接続を行う. スター型とは中心となるノードから放射状に他のノードにそれぞれ一対一の接続を行う接続である. +先行研究においてはノードの通信をリング型, つまりノード同士を円となる形で接続することで実装を試みたが, \begin{itemize} -\item CodeGear(以下 CG) -\item DataGear(以下 DG) -\item CodeGearManager(以下 CGM) -\item DataGearManager(以下 DGM) -\end{itemize} - -CGはクラス, スレッドに相当し, javaの継承を用いて記述する. DGは変数データに相当し, CG内でアノテーションを用いて変数データを取り出せる. CGM はノードであり, DGM, CG, DG を管理する. DGM は DG を管理するものであり, put という操作により変数データ, つまり DG を格納できる. -DGMのput操作を行う際にはLocalとRemoteと2つのどちらかを選び, 変数のkeyとデータを引数に書く. Localであれば, Local のCGMが管理しているDGMに対し, DGを格納していく. Remoteであれば接続したRemote先の CGMのDGMにDGを格納できる. put操作を行ったあとは, 対象のDGMの中にqueueとして保管される. -DGを取り出す際には, CG内で宣言した変数データにアノテーションをつける. DGのアノテーションにはTake, Peek, TakeFrom, PeekFromの4つがある. -\begin{description} -\item[Take] 先頭のDGを読み込み, そのDGを削除する. DGが複数ある場合, この動作を用いる. -\item[Peek] 先頭のDGを読み込むが, DGが削除されない. そのため, 特に操作をしない場合は同じデータを参照し続ける. -\item[TakeFrom(Remote DGM name)] Takeと似ているが, Remote DGM nameを指定することで, その接続先(Remote)のDGMからTake操作を行える. -\item[PeekFrom(Remote DGM name)] Peekと似ているが, Remote DGM nameを指定することで, その接続先(Remote)のDGMからPeek操作を行える. -\end{description} - -以上が, Christieの概要である. - -\section{プログラミングの例} -ここでは, Christieで実際にプログラムを記述する例を述べる. -CGMを作り, setup(new CodeGear)を動かすことにより, DGを待ち合わせ, DGが揃った場合にCodeGearが実行される. CGMを作る方法はStartCodeGear(以下SCG)を継承したものからcreateCGM(port) methodを実行することにより, CGMが作られる. SCGのコードの例をソースコード\ref{code:StartHelloWorld}に示す. - -\lstinputlisting[caption=StartHelloWorld,label=code:StartHelloWorld]{./src/HelloWorld/StartHelloWorld.java} - - -\section{TopologyManagerの実装} -Christieは当研究室で開発されたAliceを改良した分散フレームワークである. しかしAliceの機能を全て移行したわけではない. TopologyManagerは最たる例であり, 分散プログラムを簡潔に書くために必要である. そのため, ChristieにTopologyManagerを実装した. - -ここでは, TopologyManagerとはどのようなものかを述べる. そして, TopologyManagerを実装する際に, Christie自身のコードを変更する必要があったため, TopologyManagerでどのような問題が起こり, Christieの基本機能をどのような変更したかも述べる. - -TopologyManagerとは, Topologyを形成するため, 参加を表明したノード, TopologyNodeに名前を与え, 必要があればノード同士の配線も行うノードである. TopologyManagerのTopology形成方法として, 静的Topologyと動的Topologyがある. 静的Topologyはソースコード\ref{code:dot-example}のようなdotファイルを与えることで, ノードの関係を図\ref{fig:dot-example}のようにさせる. 静的Topologyはdotファイルのノード数と同等のTopologyNodeがあって初めて, CodeGearが実行される. - -\lstinputlisting[caption=ring.dot,label=code:dot-example]{./src/ring.dot} - -\begin{figure}[H] -\centering - \fbox{ - \includegraphics[scale=1]{./images/ring.pdf} - } -\caption{ソースコード\ref{code:dot-example}, ring.dotを図にしたもの} -\label{fig:dot-example} -\end{figure} - - - -動的Topologyは参加を表明したノードに対し, 動的にノード同士の関係を作る. 例えばTreeを構成する場合, 参加を表明したノードから順に, rootに近い位置の役割を与える. また, CodeGearはノードが参加し, parentに接続したあとに実行される. - -TopologyManagerを実装するに当たって, 以下の2つの問題点が出た. - -\begin{itemize} -\item Take, Peek操作でSuperClassの型を持ったデータを取り出す際にNullPointerExceptionが表示される. -\item ノード間で繋がる前にput操作を行うとデータが送られない. +\item ノードごとのもつファイルの整合性の維持が難しい. +\item どこかのノード同士の通信が切断された際の再接続が難しく, また障害が全体に影響してしまう. +\item 障害からの復帰が難しい. \end{itemize} - -Take, Peek操作でSuperClassの型を持ったデータを取り出す際にNullPointerExceptionが表示される問題に対しては, DataGearでdataを代入する際にSuperClass, interfacesまで比較するように書き換えた. また, 型の不一致が起こった際は例外を投げるようにした. その修正後のコードをソースコード\ref{code:datagear}に示す. - -\begin{lstlisting}[caption=修正後のDataGearのソースコード,label=code:datagear] -public class DataGear<T>{ - - ... - - public void setData(T data) { - Class dataClazz = data.getClass(); - - if(dataClazz == this.clazz){ - this.data = data; return; - } - - Class dataSuperClazz = dataClazz.getSuperclass(); - while (dataSuperClazz != null) { - if(dataSuperClazz == this.clazz) { - this.data = data; return; - } - dataSuperClazz = dataSuperClazz.getSuperclass(); - } - - Class<?>[] interfaces = dataClazz.getInterfaces(); - for (Class<?> interfaze : interfaces) { - if(interfaze == this.clazz) { - this.data = data; return; - } - } - - throw new ClassCastException("datagear cannot set class from " + dataClazz.getName() + " to " + clazz.getName()); - - } - -} -\end{lstlisting} - -setDataメソッドの中身を変更した. TopologyNodeにおいて, 実行するCodeGearをputしておき, 参加するノードがすべて揃ったら, そのCodeGearを実行する. しかし, 実際には実行するCodeGearはCodeGearを継承したものである. Christieは, putされたdataのクラスとTakeされるデータのクラスが一致したならばdataを代入し, それ以外なら無視するという処理を行っていた. SuperClass, interfacesの型までは比較をしていなかっため, 型の不一致が起こり, dataの代入をしないため, NullPointerExceptionが表示されていた. - - -ノード間で繋がる前にput操作を行うとデータが送られない問題に対しては, waitを付け加えた. そのコードをソースコード\ref{code:rdgm}に示す. - -\lstinputlisting[caption=修正後のRemoteDataGearManagerのソースコード,label=code:rdgm]{./src/RemoteDataGearManager.java} - -具体的にはソースコード\ref{code:rdgm}の17行目から21行目にlockを付け加え, putメソッドの48行目にwaitするメソッドを置き, 54行目から63行目にwaitするメソッドを付け加えた. この問題は, ノードが繋がる前にconnection.writeを行うため, 相手のDataGearに書き込みが行われないために起きた. そのため, 相手とDataGearがつながるまでputメソッドをwaitしておき, つながってからconnection.write操作を行うように書き換えた. - -\section{Christieにおけるブロックチェーンの実装の利点と欠点} - -Christieにおいてブロック, トランザクション, Paxos, Proof of Workを実装した. -その際, Christieで実装した場合の便利な点を述べる. - +などの問題が見られた. リング型と比較した際のスター型の利点として, \begin{itemize} -\item データの取り出しが簡単. ChristieはDataGearという単位でデータを保持する. そのため, ブロックやトランザクションはDataGearに包めばいいため, どう送るかという問題を考えなくてすむ. -\item TopologyManagerでのテストが便利. dotファイルが有れば, TopologyManagerが任意の形でTopologyを作れる. そのため, ノードの配置については理想の環境を作れるため, 理想のテスト環境を作ることができる. -\item 機能ごとにファイルが実装できるため, 見通しが良い. ChristieはCbCのgotoと同じように関数が終わるとsetupによって別の関数に移動する. そのため自然に機能ごとにファイルを作るため, 見通しが良くなる. +\item ノードの中心(サーバー)が正しいファイル状況を保持するため,整合性を保つことが容易である. +\item どこかのノードの接続が切断されても, 障害の範囲をそのノードのみに抑えることができる. +\item 新しいノードが参加した, もしくはノードの再接続の際にはサーバーのファイル状況を参照するのみで参加, 復帰ができる. \end{itemize} - -不便な点を以下に述べる. - -\begin{itemize} -\item デバッグが難しい. cgm.setupでCodeGearが実行されるが, keyの待ち合わせで止まり, どこのCGで止まっているかわからないことが多かった. 例えば, putするkeyのスペルミスでコードの待ち合わせが起こり, CGが実行されず, エラーなども表示されずにwaitすることがある. その時に, どこで止まっているか特定するのが難しい. -\item TakeFrom, PeekFromの使い方が難しい. TakeFrom, PeekFromは引数でDGM nameを指定する. しかし, DGMの名前を静的に与えるよりも, 動的に与えたい場合が多かった. -\item Takeの待ち合わせでCGが実行されない. 2つのCGで同じ変数をTakeしようとすると, setupされた時点で変数がロックされる. このとき, 片方のCGはDGがすべて揃っているのに, すべての変数が揃っていないもう片方のCGに同名の変数がロックされ, 実行されない場合がある. -\end{itemize} - - - +と言ったことが挙げられる. \newpage