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1 \chapter{教育向けの情報システム}
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2 \pagenumbering{arabic} %ページ番号の表記方法
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4 情報通信技術の普及に伴い学生が学ぶ学習環境が必要となる.その学習環境としてVMやコンテナにより,手軽に開発し試せる技術が普及している.
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5 だが,手元のPC上でVMやコンテナを立ち上げ,開発を行うことはできるが,VMやコンテナの使用には高性能PCや有料のクラウドサービスが必要になる場合がある.
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6 これらの負担をIT技術を学ぶ学生に負わせない新たな仕組みが必要である.
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7 \par
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8 本コースでは希望する学生に学科の汎用サーバから仮想環境を貸出するサービスを行っている.
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9 貸出をするVMの基本スペックとしてCPU1コア,メモリ1GB,ストレージ10GBである.
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10 基本スペックでは不足する場合は要望に応じてスペックの変更を行っている.
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11 しかし,機械学習などの演習ではCPUよりGPUが求められる場合がある.
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12 VM上でGPUを共有するにはPCIパススルーを利用することで可能である.
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13 だが,PCIパススルーではGPUとVMは1対1の関係となり,GPUを希望する利用者すべてに割り当てることはできない.
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14 \par
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15 本研究では,学生が貸出VMだけでなく,学科の汎用サーバのリソースを効率的に利用できる教育情報システムを提案する.
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16 教育情報システムには複数の汎用サーバと大容量ストレージサーバが存在する.
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17 複数のサーバを利用するにあたり,分散ストレージが必要となる.
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18 また,学習環境として利用されることから,複数の並列なアクセスに耐えられ,信頼性の高いファイルシステムが必要である.
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19 この用件を満たすストレージソフトウェアとしてCephを採用した.
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20 汎用サーバのリソースを効率的に利用するために,コンテナエンジンであるPodman,Singularity,ジョブスケジューラであるSlurmを採用した.
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21 これらのソフトウェアを合わせ教育情報システムの構築を行った.
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23 \section{システム管理チーム}
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24 本コースで利用されている教育情報システムの運用管理は,平成24年まで演習科目の1つとして行われてきた\cite{kinjo}.
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25 しかし,サービスの多様化やシステムの高度化により,演習科目として行うには困難になった.
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26 そこで,平成25年度に学生と教職員らの有志による「システム管理チーム」が発足した.
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27 本チームはシステムの構築,運用管理やシステム利用者のサポートを行っている.
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29 \section{論文の構成}
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30 本論文は7章で構成され,以下に各章の詳細を示す.
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31 \begin{itemize}
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32 \item 第1章は,本研究の背景と目的を述べる
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33 \item 第2章は,本論文で必要な技術概要を述べる
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34 \item 第3章は,これまで利用されてきた旧システムについて述べる
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35 \item 第4章は,教育情報システムの構築について述べる
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36 \item 第5章は,教育情報システムの管理と利用方法について述べる
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37 \item 第6章は,教育情報システムの評価について述べる
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38 \item 第7章は,本研究におけるまとめ,今後の課題について述べる
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39 \end{itemize} |