title: GearsOSの分散ファイルシステムの設計 author: Takahiro Ikki, Shinji Kono profile: 琉球大学理工学研究科情報工学専攻 lang: Japanese code-engine: coderay ## 継続を導入したGearsOS - GearsOSは関数遷移でなく、継続を導入したOS開発プロジェクトである - 関数遷移でなく、**CodeGear**と言う単位で記述する - 各CodeGearをjump命令で推移することで処理が実行される - OSの信頼性の向上を目指して開発されている - OSのプログラムは膨大なため検証が困難である - GearsOSはノーマルレベルとメタレベルの処理を分けて記述できる - メタレベルな処理を実行用や検証用なものに切り替えるができる - これによりユーザープログラムの検証を行う - 検証は定理支援証明系やモデル検査を用いる ## GearsOSのファイルシステム開発 - GearsOSは現段階で言語フレームワークとして実装されている - GearsOSの分散ファイルシステムを開発したい - ファイルシステムも同様にGear単位で操作したい - 煩雑な分散処理を簡潔に構成したい - 従来ではアプリケーションが持つ機能の一部を取り入れたい - Transaction - バックアップ - 分散フレームワークChrisiteの仕組みで問題の一部を解決をはかる ## 分散フレームワークChristie - Javaで書かれた分散フレームワークである - GearsOSと似たGearと言うプログラミング概念を持つ - 規格が決められたプロトコルを持たず、データのみの送受信で通信する - 自立分散を目指した設計となっている - 通信されるデータを意識しながら分散処理の記述が行える ## Christie likeな通信の分散ファイルシステムの提案 - Christieの仕組みを分散ファイルシステムに応用/検証を行いたい - 複数のstreamを持ち、通信を行うファイル構造 - APIは通信部分を含め3種類で構成される - プロトコルを用いないことで、分散ネットワーク内の通信の見通しを確保する - 簡潔な記述による分散処理構成 - APIやプロセスの正当性は将来的に定理支援証明系agdaで検証される ## GearsOSが持つOSレベルなTransactionの検証 - GearsOSはAPIレベルでTransactionな記述が行える - 従来のアプリケーションでは、ユーザーレベルで実装される - GearsOSのOSレベルで実装されるTransactionの実装検証を行いたい - OSのTransactionが保証されていれば、アプリケーションの信頼性の保証となる ## ポスター発表 - GearsOSのChristie likeなファイルシステムの設計と実装 - ファイル構造 - QueueとTreeを用いる - ファイルAPI - Put/Take/Peek - 複数streamを用いたファイル通信 - WordCount例題 - まとめと課題 ## この先保留 ## CodeGearとDataGear - CodeGear - 実行Codeの単位 - 入力/出力のDataGearを持つ - goto文(jump命令)で遷移する - 割り込みが行われない(atomicity) - DataGear - 変数にあたり、構造体の型を持つ ## CodeGearとDataGearの関係 - InputDataGearを受け取って、CodeGearが処理し、OutputDataGearを出力する - OutputDataGearは次のCodeGearのInputDataGearとなる - CodeGear/DataGearはContextというオブジェクトで管理される
 cgdgの関係図
## 研究概要 - GearsOSの分散ファイルシステムの設計・実装を行った - ファイル構造の設計 - ファイルAPIの設計 - 複数streamを用いたファイル通信とデバイス保存 - 最低限のデータを送信することにより通信が行える - 分散フレームワークChristieの仕組みを利用している ## 本研究の目的 - 分散フレームワークChristieのファイルシステムへの応用 - プロトコルを用いず、最低限のデータの送受信で通信を構成する - 複雑な分散通信の見通しの改善 - 自律分散通信を目指した設計 - OSレベルなTransactionによるファイル通信記述の検証 - GearsOSではAPIをTransactionとして構成できる - 従来のファイルシステムはアプリケーションレベルで実装される ## GearsOS - OSの信頼性の向上と拡張性を目指している - CodeGear/DataGearという単位で記述される - ノーマルレベルとメタレベルを分離して記述できる - メタレベル処理を切り替えることで、信頼性検証やデバッグを行う - 将来的に本研究の成果物も信頼性の検証を行う ## CodeGearとDataGear - CodeGear - 実行Codeの単位 - 入力/出力のDataGearを持つ - goto文(jump命令)で遷移する - DataGear - 変数にあたり、構造体の型を持つ ## CodeGearとDataGearの関係 - InputDataGearを受け取って、CodeGearが処理し、OutputDataGearを出力する - OutputDataGearは次のCodeGearのInputDataGearとなる - CodeGear/DataGearはContextというオブジェクトで管理される
 cgdgの関係図
## 分散フレームワークChristie - Javaで記述された分散フレームワーク - GearsOSと似たGearという概念を持つ - CodeGearManagerと言うノードがCodeGear/DataGearを管理する - DataGearはDataGearManagerと言うデータプールに記録される - DataGearをノード間で送り合うことで通信を行う ## Christieの通信 - LocalDGM - そのノードに対応するデータプール - CodeGearはLocalDGMからDataGearを参照する - RemoteDGM - 他のノードのLocalDGMに対応するproxy - RemoteDGMに書き込むと対応したLocalDGMに送信される - DataGearManagerの仕組みをGearsOSのファイルに利用する ## RemoteDGMによる通信 - 任意の相手のRemoteDGMを作成することで接続が形成される - RemoteDGMに書き込むと相手のLocalDGMに書き込みが行われる
 RemoteDGMの関係図
## ポスター発表概要 - Christieの仕組みを用いたファイルシステム設計/実装の解説 - QueueとTreeを用いたファイル構造 - ファイルAPI - Put/Take/Peek - 複数socketを用いたファイル通信の構成 - WordCount例題 - まとめと課題 ## まとめ - GearsOSの通信を含めたファイルシステムの設計・開発を行った - DataGear単位によるファイル操作 - 複数のstreamを用いた通信の設計 - 現時点では単一streamによる通信のみ開発済み - 課題 - WordCount例題の再現 - API/プロセスの信頼性や性能の調査 ## GearsOSのファイルシステム - ファイルデータの最小単位はDataGearとなる - ファイルデータとなるDataGearはQueueに格納される - APIはPut/Take/Peekの三つで操作する
 Queue
## GearsOSにおけるファイル - ファイルは複数のQueueを持つ赤黒木である - Queueはkeyでアクセスされる - Queueはstreamの役割を持つ
 Queue
## ファイルによる通信の構成 - GearsOSのファイルは通信も担当する - 通信先のファイルのproxyを生成し通信する - proxyに対してデータを書き込むことで通信が行われる - WordCount例題を通して設計を行った
Queue
## GearsOSの分散ファイルシステム - GearsOSのファイルは通信の役割も持つ - 遠隔上のファイルに対応するproxyを作成して通信を行う - 対象ファイルとproxyはsocketで接続される - proxyの操作はLocalなファイルと相違なく行える - 記録デバイスへの保存も同様な仕組みで行う ## GearsFSの展望 - ノードの配線を担当するTopologyManagerの実装 - 参加表明したノードを任意の形のTopologyへ配線する - 将来的にAPIと通信プロセスは定理支援証明系Agdaで検証を行う - 複数streamにより制御を行う分散ファイル通信の検証 - GearsOSによるOSレベルTransactionの信頼性/実用性調査 - 従来ではアプリケーションレベルにより実装される