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author kiyama <e185758@ie.u-ryukyu.ac.jp>
date Wed, 05 Jan 2022 16:37:38 +0900
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\chapter{関連研究および基礎概念}

本章には,基礎概念や関連研究を記述する.各自の研究内容に合わせて章タイトルを「基礎概念」や「関連研究」などに変更しても構わない.一般的に基礎概念や関連研究の章では,文書を読み進めるにあたって必要となる知識や関連する研究成果等の情報を提供することを目的としている\cite{ref-related-work}.

\section{記述内容の詳細について}
\subsection{基礎概念について}
基礎概念では,読者が文書を読み進めるにあたって必要となる知識を記述する.例えば,読者としては学部3年次程度の学生を想定し,それら学生が有していない知識を対象として説明すると良い.ただし,学部3年次相当の読者が既に有している知識であっても,読者が文書を読み進めるにあたって特別に必要と考えられる場合はこの限りではない.

基礎概念の記述に当たっては,本報告書や卒業論文における位置づけを明確にする必要がある.また記述内容は教科書等の文献を写すのではなく,自身の研究に関連する事項を抽出整理し,自分の言葉で記述する.

\subsection{関連研究について}
関連研究は,自分の研究テーマの社会的もしくは学術的な意義付けを明確にし,研究テーマの主題すなわち「問い」や「アイディア」を具体化・明確化するために記述する.

社会的もしくは学術的な意義付けでは,「知能情報工学」の視点を持って,歴史的な経緯を時系列的に説明したり社会課題を述べたりすると良い.

研究テーマの主題を明らかにするために,単に類似の研究や過去の研究を説明するのではなく,それら研究が自分の主題とどのように関連しているかを具体的に述べる.自身の研究が既存の研究をより発展させたものであるならば,既存の研究では何のために何がどこまで提案・実装されているかを明確に述べ,さらにそれを発展させる必要性などを述べる.自分の研究が既存の研究を改良するものであるならば,既存の研究が何のために何をどこまで提案・実装しているかを明確に述べ,どこに問題があって,どのような解決が望まれているかなどを述べる.

これら記述によって,次節の提案手法や考察での既存研究と自身の研究成果との比較検討の土台を作ることを目指す.

\subsection{参考文献について}
参考文献を記載する目的は,他者の著作権たる知的財産権を保護するとともに,自己の主張すなわち執筆論文の責任範囲を明確にすることである.倫理講習で学んでいるように,参考文献を適切に記載しないことは論文における不正行為となる\cite{ref-jsps}.

参考文献とは引用した文献の総称をいう.引用には間接引用と直接引用がある.間接引用した文献を参考文献といい,参考とは他者の執筆した文章や作成した資料を自分の主張の材料とすることをいう.他方,直接引用した文献を引用文献といい,引用とは他者の文章や作成資料の一部を自分の文書の一部として含めることをいう.

参考にした資料,引用した資料を特定できる情報を「出典」といい,論文,書籍,新聞,Webサイトの情報などが出典にあたる.出典は,本文書の末尾にthebibliography環境を使用してリストし,cite命令を使用して本文中で引用する.なお,出典の表示項目と表示例については,各自の研究分野の慣例に従うか,電子情報通信学会や情報処理学会の文献記載例に従うものとする\cite{ref-ieice,ref-ipsj}.例えば,電子情報通信学会の文献記載例では,学術論文(article, journal)の場合\cite{ref-journal,ref-journal-ex},著作の場合\cite{ref-book,ref-book-ex},学会論文(proceedings)の場合\cite{ref-proceedings,ref-proceedings-ex},Webページの場合\cite{ref-web, ref-ieice}のようになる.

\section{各種記述について}
\subsection{図表の挿入}
本報告書では必要に応じて図表を使用する.論文における図は,写真やグラフなどの画像情報と図キャプションから構成される.図挿入にはfigure環境を使用し,figure環境内でincludegraphics命令を用いて画像情報を挿入し,caption命令を使用して図キャプションを挿入する.その他に,label命令を用いて図に固有のラベルを付し,本文中でref命令を使用することで図番号を表示する.例えば,「fig:name」というラベルの図の図番号表示は図\ref{fig:name}のように記述する.図キャプションは図の下部に配置し,本文を読まなくとも何の図であるかわかる説明を記述する.図中の文字および線の色や太さなどは,A4用紙に印刷したときに読める程度のサイズや色とする.

\begin{figure}[htbp]
  \begin{center}
   \includegraphics[width=120mm]{./figs/sample.png}
   \caption[図目次用の短いキャプション]{図の下に記載されるキャプション.本文を読まなくても何の図かわかる説明を記述する.}
   \label{fig:name}
   \end{center}
\end{figure}

論文における表は,表組と表キャプションから構成される.表挿入にはtable環境を使用し,表組はtable環境内でtabular環境を使用して行う.ラベルや参照方法などは図と同様であるが,表キャプションは表の上部に配置する.

\begin{table}[htbp]
\caption[表目次用の短いキャプション]{表の上に記載されるキャプション.本文を読まなくても何の表かわかる説明を記述する.}
\label{table:sample}
	\centering
	\begin{tabular}{|c||l|}
		\hline
		種類		& 実行例\\
		\hline
		\hline
		太字		& \textbf{琉球大学}\\
		\hline
		下線		& \underline{琉球大学}\\
		\hline
		イタリック	& \textit{University of the Ryukyus}\\
		\hline
	\end{tabular}
\end{table}

\subsection{数式の挿入}
本文中での数式表現は,数式の前後に\$ を付けて「\$数式 \$」のように記述する.例えば,y=ax+bを数式表現すると$y=ax+b$のようになる.

独立した行(別行)に数式を表現する場合,数式番号の有無で使用する環境や命令が異なる.数式番号が不要の場合には以下のようにブラケット記法を使う.
\[
\sum _{i=0}^{2} x_i^2 = x_0^2+x_1^2+x_2^2.
\]

以下の式(\ref{eq0})$\sim $(\ref{eq2})のように,数式番号が必要な場合や別行仕立てで複数行の数式を表現するときにはalign環境を使う.複数行表記の場合,最後の数式を除く各行の数式の最後には改行コードを記述する.また,複数行に渡る数式の=を揃えたいときには,=の前に\& を付ける.
\begin{align}
y &= ax+b, \label{eq0}\\
\frac{dx}{dt} &= a_{11}x+a_{12}y, \label{eq1}\\
\frac{dy}{dt} &= a_{21}x+a_{22}y. \label{eq2}
\end{align}

以下の式(\ref{eq3})のように,行列表現にはarray環境を使う.array環境の基本的な記述方法はtabular環境と同様である.
\begin{align}
	\left( 	\begin{array}{c}
				\dot{x} \\
				\dot{y}
		 	\end{array} \right)
	=
	\left( 	\begin{array}{cc}
				a_{11} & a_{12} \\
				a_{21} & a_{22}
		 	\end{array} \right)
	\left( 	\begin{array}{c}
				x \\
				y
		 	\end{array} \right)	. \label{eq3}
\end{align}

\subsection{ギリシャ文字の表記}
ギリシャ文字を本文中で表示する場合には表記命令の前後を\$で囲む.別行の数式で表示する場合には\$を使用せずに記述する.例えば,$\alpha , \beta , \gamma , \delta , \epsilon , \eta , \theta , \lambda , \mu , \pi , \sigma , \tau , \phi , \psi , \omega $のように記述する.大文字のギリシャ文字を表示したいときには命令の一文字目を大文字にし,$\Sigma $のように記述する.

\subsection{その他の特殊文字等の表記}
\TeX には演算記号や比較演算子など様々な文字表記命令が用意されている.各自の必要性に応じて適切な表記命令を用いることとする.