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backup 2023-05-19
author | autobackup |
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date | Fri, 19 May 2023 00:10:03 +0900 |
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# 画面配信システム TreeVNC のマルチキャストの導入 author: Ryo Yasuda, Shinji Kono profile: 並列信頼研 ## 画面配信システムの活用 - 講義やゼミではプロジェクタを使用して、先生が用意した資料を見ることが多い。その際接続不良など、物理的アクシデントが起きる恐れがある - 画面配信システムで代用する場合がある。画面配信システムのとしてはAppleTVやUstreamなどが挙げられる - AppleTVは画面共有先がTVに限定されている - Ustreamは画面の切り替えを行うことができない <center><img src="https://i.imgur.com/5lT1RZ9.png" alt="message" width="200" height="200"> <img src="https://i.imgur.com/qpeYXUl.png" alt="message" width="200" height="150"></center> ## 画面配信システムの活用 - 画面配信システムTreeVNCは、自身のPC画面を他者のPCと共有できるソフトウェアである - javaで書かれているためOSに依存せず、物理的な制約なしに使用可能 - TreeVNCを使用することで、参加者は手元のPCを使用しながら講義を受ける事が可能になる。切り替えの際も、ボタン1つで共有する画面の切替を可能としている ## TreeVNCの講義等での活用 - 講義では先生のPC画面を手元のPCで見ることで、コマンドを手元で打ち間違えや、メモを取る際にPCのみに集中を向けることができるようになった - ゼミにおいてもコードをつなげるために移動する必要がなく、各自の席で発表者の画面を見ることができる - 以上のようにTreeVNCは従来のプロジェクタなどよりも利便性が高い ## 本研究の概要 - 画面配信は送信するデータ量が多いため、TreeVNCでは無線接続の場合、画面配信の遅延が大きくなってしまう - 現在のTreeVNCのデータ転送方法だと、無線接続で送信するには大きすぎる - 本研究ではMulticastの導入としてBlockingによるデータの分割を実装した ## VNC - VNC(Virtual Network Computing)は、RFB(Remote Frame Buffer)プロトコルを用いてPCの遠隔操作を行うことを目的としたリモートデスクトップソフトウェア - サーバー側とクライアント側に分かれており、起動したサーバーにクライアントが接続することで遠隔操作を可能にしている - 全てのNodeが一台のサーバーに接続するため負担が大きい <center><img src="https://i.imgur.com/ufIEIe5.png)" alt="message" width="450" height="300"></center> ## TreeVNCとは - TreeVNCは本研究室で開発している画面配信システム - 木構造の接続方式によりNode間で画像データのやりとりを行う - 各ノードが2回ずつ画像データをコピーすることで配信側の負荷を分散し、大人数での画面配信が可能 <center><img src="https://i.imgur.com/zpeYi9p.png" alt="message" width="450" height="300"></center> ## UpdateRectangleによる画面更新 - RFB (Remote Frame Buffer) プロトコルを利用し、自身の画面をネットワークを通じて送信し他者の画面に表示する - クライアントに送信するデータは画面全てではなく、変更があった部分のFrameBufferを送る - 配信PC画面の変更があった部分のみをRFBで、UpdateRectangleとしてマルチキャストで一度のみ送信する - RFBプロトコルでは画像データをRectangleで送信しているため、UpdateRectangleとして送信されるPacketには複数のRectangleが入るような構成をとっている <center><img src="https://i.imgur.com/ZN6jMYI.png" alt="message" width="450" height="300"></center> ## RFBプロトコルのエンコードタイプ - ZRLEとはRFBプロトコルでサポートされているエンコードタイプの1つ - zlib圧縮、タイリング、run lengthエンコードを組み合わせている <center><img src="https://i.imgur.com/CdGCftg.png" alt="message" width="500" height="350"></center> ## RFBプロトコルのエンコードタイプ - 解凍に必要な辞書を書き出すことができないため、途中からデータを受け取ると正確に解凍できなくなる <center><img src="https://i.imgur.com/VxeaTMD.png" alt="message" width="500" height="350"></center> ## TreeVNCの画像データ圧縮方法 - ZRLEを応用したZRLEEを使用している - 辞書の書き出しを行えるようにし、データを途中から受け取っても解凍することが可能 - ZRLEを一度解凍し、辞書を書き出して再圧縮を行う <center><img src="https://i.imgur.com/VxeaTMD.png" alt="message" width="500" height="400"></center> ## Multicastの問題点 - wifiのMulticast Paketの最大サイズは64KBである - HDや4Kの画面を更新するためのサイズは大きい - 4Kディスプレイの場合8MB(画素数) x 8Byte(色情報)で64MB - 送信データの圧縮と64KB毎のパケット変換が必要 ## Blockingの考察 - 64KBのパケットに収めるため、ZRLEEで圧縮する前にBlockingを行い、Rectangleの再構成を行う - ZRLEを解凍したデータのRectangleは以下のような状況になっていると考えられ、Phaseで区別する - 行の途中から行の最後まで Phase0 - 行の最初から最後まで Phase1 - 行の最初から行の途中まで Phase2 <center><img src="https://i.imgur.com/HrqYOhP.png" alt="message" width="600" height="400"></center> ## Blockingの考察 - 最大3つのRectangleの再構成を行いつつ、ZRLEEで変換を行いパケットの構成をする - Packetの先頭にはmessageIDなどが格納されているPacke Headerがある - 各RectangleにはRectangleのx,y座標や圧縮されたデータ長などが格納されているRectangle Headerを持っている <center><img src="https://i.imgur.com/HrqYOhP.png" alt="message" width="600" height="400"></center> ## 圧縮方式 - zlibには以下の3つの圧縮方法が存在する * NO FLUSH : Stream に格納されたデータを最高率で 圧縮を行う。Stream にある入力データが規定量に満た ない場合は圧縮されない * SYNC FLUSH : これまでに Stream に格納されたデー タの圧縮を行う。ただし圧縮率が低下する可能性がある * FULL FLUSH : SYNC FLUSH 同様、これまでに Stream に格納されたデータの圧縮を行う。異なる点 はこれまでの辞書情報がリセットされるため、圧縮率 が極端に低くなる可能性がある <!--## paket lossする可能性 - wifiのMulticast paketは確実に送信されることが保証されておらず、paket lossする可能性がある - その対策としては以下の2つが取れる - 何もしない、定期的に全画面のデータが送信されるため問題ないと考える - 再送要求を行う、処理が複雑であることが予想される - 現状では定期的に全画面のデータを送信しており、十分実用に耐えると考える --> ## 圧縮方法 - 1TileごとにSYNC_FLUSHを行なっている - 行末ではFULL_FLUSHを行う - NO_FLUSHを利用していないためデータの圧縮率は下がる ## その他の実装 - TreeVNCのBuildに使用している、Gradleを4.8から6.1へのバージョンアップ対応 - java9以降非推奨だったRetinaAIPの更新対応 - デバッグオプションの修正 ## まとめ - WifiでBlockingを用いて、Multicast paketを利用する手法についての考察と実装を行なった - Wifiの速度とMulticastの信頼性が高ければ実用的である可能性がある - TreeVNCのBuildやAPIのバージョンアップ対応、デバッグオプション修正を行なった - 今後の課題 - Multicast通信の実装 - WifiのMulticast paket lossは接続環境や状況に依存すると思われるためさらなる実験が必要 - Node接続時の有線接続と無線接続の判断、区別処理の実装 - SYNC_FLUSHを使っているため圧縮率が低下しているため、圧縮率の向上についての考察