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author gongo
date Wed, 26 Mar 2008 12:48:16 +0900
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\section{研究の目的}
PlayStation 3 (以下 PS3) では、搭載された Linux を用いて、
PS3 上で動くゲーム開発することができる。
しかし、現在 GPU (Graphics Processing Unit) の API は
一般には公開されていないため、GPU を使った描画はできない。
Frame Buffer 上には直接描画することはできるため、
我々は Frame Buffer 上に描画するゲームフレームワークを提案してきた。

\subsection{先行研究とその問題点}
Frame Buffer Engine 用のレンダリングエンジンである
OSMesa \cite{osmesa} と、マルチメディアライブラリの SDL \cite{sdl} の二つを
用いて開発を行った \cite{akira} 。
例題として、一つの立方体を回転させるというプログラムを用いた。

PPE のみを使用した場合の実行速度は約 18 FPS (Frame Per Second)
という結果になった。
これは非常に遅い結果で、その理由は、SPE を使用していないため、
Cell の能力を十分発揮できていないからだと考えられる。

次に、OSMesa の一部の機能を SPE に演算させることにより
高速化を図っている。

その際の実行結果を \tabref{tab:osmesa} に示す。

\begin{table}[htbp]
  \caption{実行速度 (描画領域:1920x1080)} \label{tab:osmesa}
  \hbox to\hsize{\hfil
    \begin{tabular}{l|l} \hline \hline
      実行環境 & 実行速度\\ \hline
      SDL(1.2)+OSMesa(6.5.2) & 18 FPS \\ 
      SDL(1.2)+OSMesa(6.5.2) with SPE & 24 FPS \\ 
      SDL(1.2.13)+OSMesa(7.0.2) with SPE & 43 FPS \\ \hline
    \end{tabular}\hfil}
\end{table}

\tabref{tab:osmesa}より、SPE に処理を任せれば実行速度は
速くなるということを示している。同時に、OSMesa を細分化し、
できるだけ SPE を使うような設計ができれば
より速くなる可能性を示すものである。

しかし、OSMesa は巨大なマクロによるプログラム記述や
コピーの多用、巨大な構造体等があり、細分化はもちろん、
後に拡張をすることも難しい。

\subsection{Cerium の提案}
本研究では、PS3 上で高速な描画が可能な、独自のレンダリングエンジンとして、
Cerium Rendering Engine の開発を行う。
Cerium は、次の 3 つから構成される。

\begin{itemize}
  \item Scene Graph
  \item Rendering Engine
  \item Task Manager
\end{itemize}

Cerium は Cell 上だけでなく、Linux や Mac OS X 上でも
動く、シーケンシャルなプログラムも実装することが出来る。
並列プログラムとシーケンシャルプログラムの相互の変換は容易である。
これにより、全体の動作のデバッグはシーケンシャルプログラムで行い、
仕様が正しいと確認できたら、 Cell 上などの特有の環境で
動作、デバッグを行えばいい。