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diff Paper/tex/tree_desc.tex @ 6:9ec2d2ac1309
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author | soto <soto@cr.ie.u-ryukyu.ac.jp> |
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date | Thu, 05 May 2022 22:32:45 +0900 |
parents | 14a0e409d574 |
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--- a/Paper/tex/tree_desc.tex Thu May 05 17:38:06 2022 +0900 +++ b/Paper/tex/tree_desc.tex Thu May 05 22:32:45 2022 +0900 @@ -1,13 +1,13 @@ \section{Gears Agda における木構造の設計} -本研究では、Gears Agda にて Red Black Tree の検証を行うにあたり、 -Agda が変数に対して再代入を許していないことが問題になってくる。 +本研究では,Gears Agda にて Red Black Tree の検証を行うにあたり, +Agda が変数に対して再代入を許していないことが問題になってくる. -そのため下図 \ref{rbt-stack} のように、木構造の root から leaf に 辿る際に見ているnodeから -下の tree をそのまま stack に持つようにする。 +そのため下図 \ref{rbt-stack} のように,木構造の root から leaf に 辿る際に見ているnodeから +下の tree をそのまま stack に持つようにする. -そして insert や delete を行った後に stack から tree を取り出し、 -元の木構造を再構築 していきながら rootへ戻る。 +そして insert や delete を行った後に stack から tree を取り出し, +元の木構造を再構築 していきながら rootへ戻る. \begin{figure}[H] \begin{center} @@ -18,91 +18,91 @@ \end{figure} -このようにして Gears Agda にて Red Black Tree を実装していく。 +このようにして Gears Agda にて Red Black Tree を実装していく. \section{Gears Agda における Binary Tree の実装} -Red Black Tree を実装しそれを検証する前段階として、 -実装が簡単な Binary Tree の実装から行う。 +Red Black Tree を実装しそれを検証する前段階として, +実装が簡単な Binary Tree の実装から行う. -まず Binary Tree と 遷移させる Data Gear となる Env の定義は Code \ref{bt_env} のようになる。 +まず Binary Tree と 遷移させる Data Gear となる Env の定義は Code \ref{bt_env} のようになる. \lstinputlisting[label=bt_env, caption=Binary Tree の Data Gear] {src/bt_impl/bt_env.agda.replaced} -bt は、木での順序としての意味を持つ key とその中身 value はどのような型でも入れられるように -「A : Set n」となっている。 -そして left, right には bt A を持つようにし、木構造を構築している。 +bt は,木での順序としての意味を持つ key とその中身 value はどのような型でも入れられるように +「A : Set n」となっている. +そして left, right には bt A を持つようにし,木構造を構築している. -Env では、 find, insert, delete の対象となる値を保存し、 Code Gear に与えられるようにするために -varn, varv を持っている。 -加えて変更を加える bt を持つ vart と、章Nで前述した木構造を持っておくための List である -varl を Env に設定している。 +Env では, find, insert, delete の対象となる値を保存し, Code Gear に与えられるようにするために +varn, varv を持っている. +加えて変更を加える bt を持つ vart と,章Nで前述した木構造を持っておくための List である +varl を Env に設定している. 7章で述べた Gears Agda での木構造を保ったまま root から目的のnodeまで辿る Code Gear が -Code \ref{bt_find_impl} になる。 +Code \ref{bt_find_impl} になる. \lstinputlisting[label=bt_find_impl, caption=root から目的のnodeまで辿る Code Gear] {src/bt_impl/find.agda.replaced} -まず、関数の実装が始まってすぐに Env の vartを指定したものと引数をそのまま find-c の関数に遷移している。 -ここで展開しているのは Env の vart で、そのまま Env から展開した vart をパターンマッチすると -Agda が追えなくなってしまい、\{-$\#$ TERMINATING $\#$-\} を使用することになってしまう。 +まず,関数の実装が始まってすぐに Env の vartを指定したものと引数をそのまま find-c の関数に遷移している. +ここで展開しているのは Env の vart で,そのまま Env から展開した vart をパターンマッチすると +Agda が追えなくなってしまい,\{-$\#$ TERMINATING $\#$-\} を使用することになってしまう. -そのため関数を新たに定義し、展開したものを受け取り、パターンマッチすることで +そのため関数を新たに定義し,展開したものを受け取り,パターンマッチすることで \{-$\#$ TERMINATING $\#$-\} を使用せずに loopを定義できるようになる -木を stack に入れるのは単純で、操作の対象の key となる varn と -node のkeyを比較を行う。 -そこからは本来の木構造と同じで、操作の対象の key が小さいなら -left の tree を次の node として遷移する。 -大きいなら right の tree を次の node として遷移していく。 +木を stack に入れるのは単純で,操作の対象の key となる varn と +node のkeyを比較を行う. +そこからは本来の木構造と同じで,操作の対象の key が小さいなら +left の tree を次の node として遷移する. +大きいなら right の tree を次の node として遷移していく. -操作の対象となる node に辿り着き、操作を行った後、 -Stack に持っている tree から再構築を行う。 +操作の対象となる node に辿り着き,操作を行った後, +Stack に持っている tree から再構築を行う. そのコードが Code \ref{bt_replace_impl} となる \lstinputlisting[label=bt_replace_impl, caption=Stack から tree を再構築する Code Gear] {src/bt_impl/replace.agda.replaced} -これも Code \ref{bt_find_impl} と同じように構成されており、 -varn と node の key を比較し、 vart を List から持ってきた node の どこに加えるかを決めるようになっている。 +これも Code \ref{bt_find_impl} と同じように構成されており, +varn と node の key を比較し, vart を List から持ってきた node の どこに加えるかを決めるようになっている. -以上の流れを繋げることで、 Binary Tree の insert と find を実装できた。 -delete は insert の値を消すようにすると実装ができる。 +以上の流れを繋げることで, Binary Tree の insert と find を実装できた. +delete は insert の値を消すようにすると実装ができる. \section{Gears Agda における Binary Tree の検証} -検証も前述した While Loop の 検証と同じようにしていく。 -しかし、 Binary Tree の不変条件は2つ以上あるため、これを関数定義の際に全て書くと -煩雑になってしまうため、事前に記述して関数化しておく。 -それが Code \ref{bt_invariant} になる。 +検証も前述した While Loop の 検証と同じようにしていく. +しかし, Binary Tree の不変条件は2つ以上あるため,これを関数定義の際に全て書くと +煩雑になってしまうため,事前に記述して関数化しておく. +それが Code \ref{bt_invariant} になる. \lstinputlisting[label=bt_invariant, caption=Binary Tree の 不変条件] {src/bt_verif/invariant.agda.replaced} -この不変条件は、 treeInvariant が tree の 左にある node の key が小さく、 -右にある node の方が大きいことを条件としている。 +この不変条件は, treeInvariant が tree の 左にある node の key が小さく, +右にある node の方が大きいことを条件としている. -stackInvariant は Stack にある tree が、次に取り出す Tree の一部であることを -条件としている。 +stackInvariant は Stack にある tree が,次に取り出す Tree の一部であることを +条件としている. -これを先ほど実装した Code Gear に対して加えることで検証していく。 -先ほど実装した Code \ref{bt_find_impl} に対して加えると Code ref のようになる。 +これを先ほど実装した Code Gear に対して加えることで検証していく. +先ほど実装した Code \ref{bt_find_impl} に対して加えると Code ref のようになる. \lstinputlisting[label=bt_invariant, caption=Binary Tree の 不変条件] {src/bt_verif/find.agda.replaced} 現時点では条件を満たしていることの証明まで行っていないが -コード中の {!!} に記述を行い、前述した While Loop と同じように中身を記述することで検証を行える。 +コード中の {!!} に記述を行い,前述した While Loop と同じように中身を記述することで検証を行える. \section{まとめと今後の課題} -本論文では、Gears Agda にて Hoare Logic を用いて While Loop の検証を行えた。 -これはプログラムが Code Gear という単位で分かれているため、 -一つ一つの Code Gear に対して検証を行いながら実装を行っていくことも可能である。 -そのため、従来の検証手法よりもスコープが小さく、簡単に検証と実装を行えると考える。 +本論文では,Gears Agda にて Hoare Logic を用いて While Loop の検証を行えた. +これはプログラムが Code Gear という単位で分かれているため, +一つ一つの Code Gear に対して検証を行いながら実装を行っていくことも可能である. +そのため,従来の検証手法よりもスコープが小さく,簡単に検証と実装を行えると考える. -今後の課題として、Gears Agda による Red Black Tree の実装と検証を行う必要がある。 -While Loop と同じように検証を行えると考えているが、研究目的である -「ループが存在し、かつ再代入がプログラムに含まれるデータ構造」を -Gaers Agda を実装することが難しく、それをさらに検証しなければならない。 +今後の課題として,Gears Agda による Red Black Tree の実装と検証を行う必要がある. +While Loop と同じように検証を行えると考えているが,研究目的である +「ループが存在し,かつ再代入がプログラムに含まれるデータ構造」を +Gaers Agda を実装することが難しく,それをさらに検証しなければならない.